MONO録をもっと・・・

今日辺りから今季最強の寒波が日本列島を襲うという予報が出て、被災地は勿論、全国で雪に対する警戒が強まっていますが、皆さんお元気にお過ごしでしょうか?

こんにちは、オジサンです。

オジサンの住む地域でも今朝は0℃近くまで気温が下がり、起きてストーブを付けたら7℃の表示でした。この冬一番の寒さです。まぁオジサンが住む地域など、雪国の方に比べたら常夏のハワイみたいなモノで「その程度で何言ってんだ!」とお叱りを受けそうですが、それでも今朝は寒かったです。

MONO録

さて皆さんはMONO録(モノラル録音)に馴染みがあるでしょうか?若い方は「なにそれ」と言うかも知れませんが、1960年代にSTEREO録音が始まるまでは全てがMONO録だったのです。今でもAM放送はMONOが主流ですし、1970年代(?)に流行ったラジカセもMONO(単一スピーカー)のモノが結構有りました。(ダジャレかよ!)

オジサンが初めてレコード再生をしたのが中学1年の頃で、親に買って貰った簡易ステレオで聴いたのが最初でした。その頃は既にSTEREOになっていて、左右2つのスピーカーから別の音が出るというモノでした。

本格的にオーディオをいじり始めたのが1970年代後半で、2つのスピーカーで音楽再生をするのが当たり前の時代でした。左右のスピーカーから別々の音が出て、リスニングポジションで丁度良くミックスさせてSTEREO感を得るのが難しかった事を思い出します。スピーカーのセッティングがまずいと音が左右に散ってしまい、オーディオ的に言うと「中抜け」の状態になってしまうのです。

クラシック音楽を本格的に聴き始めたのもこの頃で、新譜は全てSTEREO録音の時代でした。しかし、名演奏を求めて行くと、自然とMONO録に行き当たり、数多くのMONO録レコードを買い求める結果となったのです。

MONO録の素晴らしさ

ウィキペディアによると「MONO録(再生)はSTEREO録音に比べ立体感が得にくい」とされていますが、決してそのような事は無いとオジサンは反論したいと思います。

確かにSTEREO録音に慣れた耳には、MONO録は音域が狭く、透明感に欠けるように聴こえるかも知れません。確かに音域的には狭いかも知れませんが、音楽の素晴らしさは音域だけで決まるモノでは無く、様々な要素がそこには絡んで来ます。

では「MONO録全てが素晴らしいか?」と問われれば、確かに聴くに堪えないような劣悪な音質しか得られないようなモノも有ります。しかしそれはSTEREO録音でも同じ事で、ある程度の割合で、そのようなレコードは存在するのでは無いでしょうか?

クラシック音楽でもJazzでもそうですが、「名盤」「名演」と言われるモノは結構MONO録に多く、深く聴き込んで行けば行くほどMONO録レコードに行き当たるような気がします。それは、その時代に名演奏が多かった(過去の遺物か)事が原因だと思います。

MONO録・名演をもっと聴こう!

「STEREO録音じゃないから」と言う理由でMONO録の名演を拒絶していたら、それは非常にもったいない事だと思います。

今CDや配信の時代となり、MONO録名演は姿を消そうとしています。CDのカタログを見ても、それ程多くのMONO録名演は販売されていませんので、なかなか聴く機会は無いかも知れませんが、もし見付けたら一度手に取って、聴いてみて下さい。

以下にオジサンが所有しているMONO録名演のほんの一部を紹介します。

これはトマス・ビーチャムが指揮したモーツァルト作曲の「後宮からの誘拐」です。ビーチャムのオペラはこれ以外「魔笛」を持っていますが、どちらも素晴らしい名演だとオジサンは思っています。「MONO録は音が濃い」と言われる代表選手の様な気がします。

グリュミオーがパウムガルトナー(指)と組んだモーツァルト作曲のヴァイオリン協奏曲です。グリュミオーはこの後デイビスと組んで再び録音していますが、オジサン的には圧倒的にこの盤の演奏をお勧めしたいと思います。モーツァルト19歳の時の傑作が生き生きと再現されます。

エリカ・モリーニ(Vn)の小品集です。これはウエストミンスター再発盤です。ウエストミンスター盤全盛の頃、オジサンはまだ洟垂れ小僧で、日夜悪戯を仕掛けては周りの大人を困らせていました。従って、ウエストミンスターのオリジナル盤は数枚しか持っていません。再発の日本盤とは言え、素晴らしい音質と名演が楽しめます。

ウエストミンスターモリーニの他にバリリSQ、ウイーン・コンチェルトハウスSQ等の名演奏も残していますので、是非聴いてみて頂きたいと思います。

PS:名チェリストアントニオ・ヤニグロの演奏もウエストミンスターで聴くことが出来ます。絶対にお勧めです。

シュワルスコップのモーツァルトアリア集です。これはコロンビアのオリジナル盤ですが、オジサンはパテ(仏)再発盤も持っていて聴き比べていますが、圧倒的にこのオリジナル盤の方が良いと思います(両方ともMONOです)

「シュワルスコップも前にシュワルスコップなし、シュワルスコップの後にシュワルスコップ無し」と言われるほどの歌手でした。

パテも多くのMONO録盤をリファレンスシリーズとして再発していました。オジサンも多くを買いましたが、どれも素晴らしい出来で、FRANÇOISE・ETIENNEがクラリネットを吹いたモーツァルト作曲のクラリネット五重奏と協奏曲はずしりと心に響きます。

さて長々と書いてきました。再度言いますが「MONO録だから聴かない」と言うのは本当にもったいないと思います。機会が有ったら是非、MONO録にも挑戦してみて下さい。きっと新しい発見が有ると思います。