どうやら梅雨明けのようで、今日は朝から夏の強い日差しが照りつけ、現在の気温は32℃に達しています。皆さんお住まいの地域は如何でしょうか?
こんにちは、オジサンです。
今年は梅雨時から熱い日差しが照りつけ、梅雨がいつ始まったかも分からないようでしたが、これから本格的になるんですねぇ。
さて今日は多少エネルギーも復活しましたので、昨日の続きを・・忘れないうちに書いておこうと思います。昨日もお断りしましたが、これから書くことはあくまでもオジサンの主観ですから、余り気にしないで読んで頂ければ幸いです。
オーディオの流儀・・Ⅱ
昨日も書きましたが、オーディオ装置の中で中心となるのはスピーカー(以下 SP)である事は間違いが無いと思います。オーディオの音質を決めるのは最終的に空気を振動させて音を放出するSPなのです。勿論放出された音は部屋の空気を伝わってリスナーの耳に届く訳ですが、部屋の環境も厳密に言えば音質に影響を与えます。
多くは部屋の容積(面積では無い)であったり、壁の材質であったり、家具等の多少であったりするわけですが、一般的なリスナーはそれ程容積の大きな部屋に住んでいる訳でもなく、壁も新建材だったりするわけですので、その点は一応無視(本当は無視できないが)して話しを進めます。
ケーブルについて
ケーブルについてはこれまで何度もこのブログで扱って来ましたので、これから書くことはかなりの部分重複する恐れが有りますが、その点はご容赦下さい。
単品で買った装置でも、イヤホンやヘッドホンでも、装置と装置を結ぶケーブルは必要になります。ケーブルはオーディオにとって「血管」と称する方も居ますが、オジサンは「必要悪」だと思っています。考え方は様々ですが、必ず言えることは「音を良くするケーブルは無い」と言う事です。いかなるケーブルを使おうとも、必ず信号の損失は有るモノで、優秀なケーブルはその損失が少ないモノを指すとオジサンは考えています。(最近ではBluetoothで信号を飛ばすモノも有りますが、それは横に置いて下さい)
「ケーブルで音が変わる」と提唱したのは江川三郎氏でしたが、氏は「音が変わる」とは言っていますが「音が良くなる」とは言っていないように記憶しています(オジサンの記憶違いかも)
確かに使うケーブルによって音質は多少変わると思いますが、それが良い方向(目指す方向)へ変わるとは限りません。もし音が良くなった様に感じるケーブルが有ったとしたら、それはそのリスナーの装置の不備な点を補い、補正してくれるからだと思います。
これはオジサンが長年使っているBelden 9451と言う何の変哲も無い、今では細いケーブルに分類される様な一本ですが、オジサンはこの程度で十分音楽は楽しめると考えています。
昨今新素材やホースの様に太いケーブルを推奨する方が多く居ますが、例えプリアンプとパワーアンプ間にブットイケーブルを入れても、アンプの内部配線はどうなのでしょう?SPのボイスコイルはホースのような太さですか?
またケーブルの材質についても然りです。銀線が一時オーディオ界を席巻した時代がありました。また銅線も様々な手法で純度を上げ、最近では当たり前のように6N(純度99.9999%)は当たり前で、9Nなんてもの存在するようですが、カートリッジのコイルは?アンプの内部配線は?と言う事になります。もし銀線や高純度銅線を使うなら、全てのケーブル、配線を統一しないと何の意味も持たないのでは無いでしょうか?
オーディオを構築(ちょっと大袈裟?)するにあたり、最初にSPを選択する事は書いた通りです。そしてアンプを選び、実際に音を出すにはアンプとSPを繋ぐケーブルが必要になるわけですが、ここで問題になるのがSPケーブルです。
オジサンは今、LANケーブルを使っていますが、LANケーブルは何の変哲もない銅線でできています。SPケーブルとして名高いBelden8470や8460は錫メッキ銅線で左右の線を撚ってあるのが特徴と言えば特徴です。LANケーブルも被膜の中で撚っています。
SPの製造(開発)時期がいつ頃なのかによって、やはりチョイスするケーブルは変わって来ると思います。これは昨日書いたアンプと同じで、SPを開発、音決めする段階でどの様なケーブルを使って行われたかが問題になります。オジサンの所の様なオールドSPを開発するとき、恐らく銀線は無かっただろうし、高純度銅線も存在しなかったと思います。ヴァイタボックスは英国製ですから、もしかしたらルーカス線辺りを使っていたかも知れませんが、ルーカス線も普通の銅線で、特別太い訳では有りません。
ケーブルの場合、構造的には1970年代のオーディオ全盛の時代とそれ程大きな変化は無いと思います。ただし製法、素材については大きく様変わりしているので、アンプ同様SPが造られた時代に沿ったモノ、或いは製法で造られたモノを選ぶのが良いと思います。
セッティング
さてオーディオ装置のセッティングは部屋の構造(床強度など)によってかなり変わりますので、正解というモノは有りませんが、一応重要とされているのが「振動対策」です。特にアナログプレイヤー(以下 プレイヤー)は振動対策が重要です。
プレイヤーの振動対策は大きく分けて二通り、ガチガチ型かフワフワ型かです。ガチガチ型の代表がマイクロ精機とすれば、フワフワ型の代表はトーレンスと言えるかも知れません。
振動対策以外で重要なのがSPのセッティングです。一般的には内側に向け、ツイーター(高音担当)がリスナーの耳の高さになるようにすると言われていますが、これも好みの問題で、オーディオ華やかかりし頃は「逆オルソン型」なんてセッティングもありました。
先日お伺いした喫茶店で使われているTANNOY コーナーヨークは上から見ると三角形をしたSPでその名の通り、本来は部屋のコーナー(隅)に置いて使うことを前提として開発されています。部屋の隅にSPを置くことで低域を補強する狙いがあります。開発時もその様にセッティングしてネットワーク等を調整していると思います。
写真はオーディオの足跡からお借りました
このように使う場所を考慮して開発されたSPをそれとは異なるセッティングで使用すると、開発時とは異なる音質になることは必定です。例えば部屋の隅に置かず、左右を開けて正面向きにセットした場合、非常に低音不足の痩せた音質になってしまいます。
逆にスピーカースタンドの使用を前提として開発された様な、ブックシェルフ型SPを床に直置きしてしまうと、床からの反射音が過剰になり、低域の籠もった感じになります。SPはケーブルと同様、開発時に前提とされたセッティングで使用する事が肝要なのです。
更に最近は様々なインシュレーターが開発され販売されています。SPに限らずアンプやプレイヤーでもインシュレーターを噛ましてセッティングすることは決して悪いことではありませんが、何を勘違いしたか何種類ものインシュレーターを噛ませている方を見掛けることがあります。
複数の材質(硬さ)の異なるインシュレーターを組み合わせてしまうと、それぞれの良さを打ち消すだけで無く、音が濁る可能性が有りますので、インシュレーターの使い方には十分な注意が必要です。
オジサン的には硬質な木材(黒檀、紫檀等)を一発で使うのが良いと思います。ゴム系は・・・お勧め出来ませんが、部屋の構造等によっては必要になるかも知れません。
最後に
オーディオで音楽や音声を聴くことは非常に個人的な趣味である事は既にご承知頂いていると思います。従って、各リスナーがどの様な装置を使い、どの様な音で、どの様な音楽(音声)を聴こうが他人には全く関係ないことです。
しかし様々な年代に造られた、特にビンテージと呼ばれる装置を使う場合、その開発時の事まで考慮に入れ、各装置の選定、ケーブルの選定、セッティングにまで気を遣わないと本来の性能は発揮できない事を心に留め置くべきだと思います。
オーディオは単品で高音質(高価では無い)の部品を揃え、それを繋げば良いというモノではありません。その部品が開発された時代にまで考えを巡らせ、その製品の特徴を最大限に生かす様に使いこなしてしてあげることが肝要です。
ビンテージと言われるSPに憧れ、せっかくそれを手に入れても、全く開発コンセプトの異なるアンプを併せてしまえば、そのSPに対する評価は「駄目」となってしまいます。
そうならないよう、色々と調べてからオーディオ装置を揃える事をお勧めします。また色々な人の装置を聴かせて頂くのも大切だと思いますので、沢山の友達、先輩を見付けだして下さい。
オジサンでした・・・。
PS:色々書いて来ましたが、最終的に装置から出てくる音を決するのは「ソフト」です。どれほど調整された装置を使っても、ソフトがボロでは良い音(好む音)がしないことは心に留め置いて下さい。「10万円有ったら、7万をソフト、残りをオーディオに遣え」と言うのが師匠の口癖でした。今でも会えば同じ事を言われます。ソフトの重要性を認識しましょう。