今日の1枚・・・#43 モーツァルト K165 カークビー(S)

台風10号が大きな爪痕を残して消滅し、やっと秋らしくなるかなぁと思いきや、まだまだ真夏の暑さが残っていますが、皆さんお元気にお過ごしでしょうか?

おはようございます、オジサンです。

今年は10月末頃まで暑い日が続き、短い秋の後、直ぐに冬がやってくる様な予報が出ています。何年か前にも同じような事が有った様に記憶していますが、これが「異常」ではなく「通常」になりそうで恐ろしいです。

今日も強い日差しが朝から照りつけ、今の気温は既に30℃に達しています。夏の疲れがドット出る時期ですのでよく寝て、よく食べて健康を維持しましょう。

モーツアルト作曲 K165

エクスルターテ・ユビラーテ

エマ・カークビー(S) ホグウッド(指)

彼の有名な(と勝手に思っている)K165です。

オジサンが最初にこの曲のレコードを買ったのはアグネス・ギーベル(S)の盤でした。今でも時々ターンテーブルに乗りますが、最近はこのカークビー盤の方を好んで聴いています。他にはアメリンクの盤も持っていますが、それは殆ど聴くことが無くなってしまいました。

カークビーはオジサンが好きな歌手の一人で、バッハのマタイ受難曲パーセル等を入れた一枚も愛聴しています。有名な曲ですから、多くの演奏家がやっていますが、オジサンの場合やはり声を張り上げるような歌唱は好きになれず、カークビーのようにさらっと歌ってくれるのが好みなのです。

カークビーの魅力は今も書いた様にさらっと歌い、決して声を張り上げる事が無い所だと勝手に思っています。どの曲を聴いてもオペラ歌手の様に声を張り上げる事は無く、淡々と音楽が進んでいく所が素晴らしいと思ってしまうのです。

カークビーは1949年、英国の生まれですので、今年75歳になりますが、恐らく今も現役で歌っていると思いますが、真偽は定かでは有りません。

このレコードのK165最大の特徴は楽曲の最後の音階が下がる事だと思っています。ギーベルもアメリンクも最後は上がって終わるのですが、オジサンが知る限り(少ないが)カークビーだけは下がって終わります。またそこが良いんです。

2015年撮影(ウィキペディアより)

またホグウッドの指揮が非常に素晴らしい!楽曲の魅力、カークビーの魅力を十分引き出す演奏で、聴いていて楽しい気分になります。

楽曲の日本語訳が「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」ですから、聴いていて楽しく、幸せな気分になることが重要なのですが、カークビー&ホグウッドの演奏はまさしくその通りなのです。

これから秋の澄み渡った空にピッタリの曲ですから、まだ聴いた事が無い方、恐らくYouTube辺りでも聴けると思いますので、一度聴いてみて下さい。

 

予報ではまだまだ暑い日が続くようです。夏の疲れを秋に持ち越さないためにも身体は十分なケアをしましょう。暑いからと言って家に籠もっていると尚更疲れが溜まるようです。軽い運動(日中は避け)で身体をほぐす事が肝要の様です。

 

買って良かったCD・・・5~8月/2024年

「迷走台風」と言うより「迷惑台風」と言った方が良さそうな10号が、各地に大きな傷跡を残して低気圧になりましたが、皆さんお住まいの地域は如何でしょうか?

おはようございます、オジサンです。

オジサンの住む地域も1週間程雨が降り続きました。どうやら記録的な雨になったようで、叩き付けるような雨と雷が連日続いていて、8月29日(木)の夕方には家の前の道路が冠水しました。幸い敷地までは入り込まなかったのですが、ヒヤヒヤものでした。

それにしてもこんなおかしな動きをする台風は珍しいのでは無いでしょうか?南海上でウロウロする台風は記憶に有りますが、列島に上陸してからまるでUターンするような動きを見せたかと思うと急激にその方向を変えました・・・。

温暖化の影響が関係していることは確かな事なのでしょうが、今後このようなおかしな動きをする台風が増える傾向に有る様なので、皆さん日頃の防災意識を高め、万が一(千が一くらい)の災害に備えましょう。

買って良かったCD・・・5~8月/2024年

さて台風が来ようが、大雨が降ろうが、停電しない限り音楽を聴き続けているオジサンですが、このところ余り感動的なソフトに出会っていません。

5~8月には10タイトル(セット含む)ほどのCD(全て中古)を入手しましたが、この4ヶ月は不作で「これは!」と思う演奏に出会えませんでした(こりゃ駄目だと思うのは何枚か有った)そんな中で今日ご紹介するのは相変わらずバッハなのですが、その点は皆様の大きなお心でご容赦願います。

バッハ フランス組曲 イングリット・へブラー(P)

イングリット・へブラーと言えばモーツァルトの印象が強い方も多いと思います。オジサンもその一人で、余りバッハの印象は有りませんでした。しかもモーツァルトピアノソナタはグールド、クラウス、ギーゼキング、スコダ、ピレシュ辺りを中心に聴いていたので、へブラーが入り込む余地は有りませんでした。

へブラーの盤で持っていたのは、モーツァルトのピアノ四重奏位で、全く頭の中から消えていた演奏家です。と言うのはオジサンの周りに「へブラー命」という方が殆ど居なく、若い頃通っていた神田駿河台下のパパゲーノでも勧められた事が無かったからです。

ではなぜ今になって、へブラー?しかもバッハなのか?それは4月に掛かって来たF君の電話が切っ掛けでした。F君はこのブログでも何度も出てくる「バッハ聴きの大家」で、オジサンにユルゲンスやマウエルスベルガー、更にはクレンペラーやズスケを教えてくれた方です。オジサンより2歳ほど年下なのですが、バッハの音楽には造詣が深く、そんじょそこらの音楽評論家は裸足で逃げ出す程の知識を持っています。師匠を通じておよそ40年振りに交流が再開し、お互い連絡を取り合うようになったのです。

そのF君が「へブラーのバッハは聴いたことが有りますか?」と言うのです。オジサン的にはへブラー自体が頭の中に無かったので「いいや、大体バッハなんてやってるの?」というと「いやぁ、そりゃマズいなぁ」と言うのです。

そこで紹介されたのがこのフランス組曲なのです。「今では非常に安価で手に入るので、一度聴いてみて」と言うので探し、中古で入手しました。

へブラーの印象・・・真面目に聴いた事が無いので、印象もへったくれも無く、F君の推薦なら間違いないだろうと思って聴いてみて驚きでした。

最近の演奏傾向は速弾きが主流となりつつ有り、バッハで言うとVn協奏曲辺りは第一と第三楽章をすっ飛ばして演奏するスタイルが主流となっているように感じます。鍵盤曲も同じで、ゴルドベルク変奏曲を例に取るとグールド以前と以降でその速度が(変奏によって)極端に速くなっている演奏が有ります。

演奏は時代と共に変化するとは思いますが、ある意味で19世紀生まれのヴィルトオーゾ的な演奏に戻っているような気がします。まるで速さを競うような演奏をオジサンは好みません。(「グールドだけは別」っておかしいだろ!)

その点このへブラーの演奏は非常に穏やかで、極端な強弱も、競うような速さも無く、ただただ淡々と音楽が進んでいく感じが有ります。これは好みの問題なので、どちらが良いとか悪いとか言う話しでは無いのですが、こんなバッハも素晴らしいと思います。

オジサンはグールドの演奏するフランス組曲を長年愛聴していますが、この演奏も長年聴き続けられそうです。

バッハ 無伴奏チェロ組曲 エンリコ・マイナルディ(VC)MONO録

エンリコ・マイナルディの演奏する無伴奏組曲です。

オジサンこれまで愛聴してきた無伴奏チェロはアンリ・オネゲル、ヨー・ヨー・マ(2回目録音)、シュタルケル、フルニエでマイナルディは今回初めて聴いてみましたが、非常に素晴らしい演奏だとオジサンは思います。

オネゲルとマの演奏は非常にゆったりとしていて、録音も良く音楽に包まれるような印象が有るのですが、マイナルディの演奏は心を突き刺すような厳しさが有るように思います。ある意味カザルスの演奏に共通点が有るように思いますが、カザルスより音が優しい印象で、カザルスの様にリスナーをブッタ切る(オジサンの勝手な印象)感じが無いのです。(カザルス盤は家出をしたきり帰って来ない)

マイナルディは1897年にイタリアに生まれたチェリストです(詳細はググって下さい)同じイタリア出身のヤニグロが1918年生まれですから大先輩に当たるわけです。二人に交流が有ったか否かは知りませんが、演奏スタイルは似ているように思います。ヤニグロの無伴奏も聴いた事が有りますが、非常によく似ていると思います。

このCDはたまたま寄った中古CD店で見付け、非常に安かったので衝動買いした一枚(セット)ですが、非常に良かったと思います。

台風が去り、今週辺りは暑さが復活するようです。皆さん体調には十分ご注意下さい。本格的台風シーズンもこれからですので、今回の台風騒動を教訓に、備えを万全にし、早めの避難を心掛けましょう。何事も無く、爽やかな秋を迎えられることを祈っています。

 

今日の1枚・・・#42 ベルガンサ Sings Arias

漸く殺人的な暑さは一段落と思ったら、来週初めには台風10号が日本付近に接近するとの情報が発表されました。

おはようございます、オジサンです。

今年の夏は本当に暑い!

暑さに加え各地をモーレツなゲリラ豪雨が襲い、被害が出ている所もあるようですが、皆さんお住まいの地域は如何でしょうか?オジサンの住む地域は殆ど雨が降らず、庭の草木は萎えでしまっています。毎日朝晩水やりをしているのですが、多少の水では「焼け石に水」で、朝あげた水は10時頃には乾ききってしまいます。そんな中でも朝顔は元気に花を咲かせ、家族の目を楽しませてくれています。感謝です。

師匠来る

先日突然オーディオの師匠から「明日行くよぅ」と電話があり、先週オジサン家にやって来ました。師匠は現在北鎌倉に住んでいるのですが、実家がオジサンの所から車で40分程の所にあり、オジサンも時々お邪魔してヴァイタボックスの音を楽しませて頂いています。時々来てヴァイタボックスのご機嫌を伺っているようで、今回はお盆で墓参りを兼ねての帰省となったようです。

師匠がオジサン家に来るのは40年来の長い付き合いの中でも初めてのことで「ヴァイタ一発の音が聴いてみてぇ」との事でした。突然の登場だったので、何の準備もできませんでしたが3時間ほどオジサン家のDU-120の音を聴いて「まぁ、合格だな」と言って帰りました。

バッハの音楽を中心に聴いていきましたが「合格」の一言を聞いてオジサンもホッと胸を撫で下ろしています。まぁ不合格でも何でも、オジサン自身が気に入っていればそれで良いのですが、さすがに師匠の評価となれば一応は気になります。

テレサ・ベルガンサ Sings Arias (英Decca盤)

今日は師匠が来た時、最後に掛けたレコードを紹介します。

2022年にお亡くなりになったスペイン出身のメゾ歌手、テレサ・ベルガンサの一枚です。’22年6月に訃報記事を書いたときにも同じレコードを少し紹介し、重なってしまいますがご容赦下さい。

師匠曰く「カラス、シュワルスコップそしてベルガンサが三大女性歌手」とのことで、師匠もこの三人の女性歌手は良く聴くとのことでした。

確かにシュワルスコップとベルガンサはオジサンも同意しますが、オジサン的にはカラスだけはどうも余り聴く気になれません。レコードは一応2枚ほど持っていますが、めったにターンテーブルに乗る事は有りません。カラスの歌唱は別のお二方と異なり、声を張り出す感じが付き纏い、どうにも好きになれないのです。歌唱の素晴らしさは認めますが・・・。

ベルガンサの歌唱は例えフォルテで歌うところでも声を張り上げる感が少なく、さらりと歌う感じが素晴らしいと思います。

このレコードは寄せ集めレコードなので、録音年も指揮者、オケもバラバラですが、どれをとってもその素晴らしさは感じることができます。

オジサンが特に気に入っているのがSide1、2曲目のグルック作曲「Paride ed Elena」の中の1曲です。中間部で一旦無音になり、そこからベルガンが小さな声で囁くように歌い始め、オケが弱音で追従する部分は初めて聴いたとき鳥肌が立つほどでした。

最近はこのような歌唱ができる歌手が少なくなった様な気がします。オジサンも最近の方はそれ程聴いているわけではありませんが、静かに、深く声を響かせる歌手が減った様に感じます。

オジサンの好きな女性歌手と言えば・・・ベルガンサ、シュワルスコップ、ギーベル、カークビー、ハマリ辺りですが、いずれも声を張り上げず、静かに歌う弱音に魅力があり歌手です。

「やっぱり声が鳴らなきゃねぇ」と言うのが師匠が最後に言った言葉ですが、確かに弦やピアノがどれほど素晴らしく鳴っても、声が不自然に響く様ではその装置(調整)は未だしと言わざるを得ないとオジサンも思います。声は普段話すときも聞き慣れているので、不自然さが有るとすぐに分かります。特に歌手の口が鯨の口の様に大きくなってしまう事は、特に高級と言われる装置に多く見受けられる現象で、このような現象は調整によって回避することができるように思います。

普通の大きさの口から発せられた声が会場(録音場所)に響き、それらが折り重なってリスナーの耳に届く・・・これがオーディオ再生の極意だと思います。オジサンはまだその域に達していませんが、まだまだ頑張ります!

今日の1枚・・・#41 カンプラ レクイエム(終戦によせて)

日本勢大活躍のパリオリンピックが終わってしまい「オリンピックロス」に陥っている方も多いと思います。オジサンもその一人で、日本勢の活躍に毎日一喜一憂していました。思い通りの試合ができた方、無念にも実力を発揮できず涙を流した方等悲喜こもごもの2週間でしたが、これほど多くのメダリストが誕生するとは・・・。

九州でM7.1の地震が発生し、それを受けて「巨大地震発生注意」が初めて発令されましたが、皆さんいつも通りの生活を送っていますか?

おはようございます、オジサンです。

オジサンの住む地域は注意報が出た地域に含まれ、市役所の広報では連日放送を通じて注意を促しています。オジサンの家では、緊急持ち出し品を玄関脇に置き、非常用食料も用意していましたが、このまま何も無ければ今日(8/15)夕方には解除となるようです。まぁこのまま何も無く過ぎてくれることを祈るのみです。

地震に続き今週末は台風の影響が出そうですねぇ。東海道新幹線は早々金曜日の東京~名古屋間の運転取りやめを発表し、お盆で帰省、旅行等をしている方を直撃しそうな雰囲気です。何も無い事を祈るのみです。

終戦の日

オジサンは「終戦記念日」と言う言い方に抵抗があります。「何が記念日か!」と思ってしまいます。国のアホな政策(?)でどれほど多くの方々が命を落とし、戦中、戦後を通じてどれほどの方々が苦労されたか・・・ですから「記念日」はおかしいとオジサンは思ってしまうのです。

オジサンは戦争体験者ではありませんが、心より戦争で亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈り致します。

アンドレ・カンプラ作曲 レクイエム

ガーディナー指揮 イギリス室内ソロイスツ

仏 エラート盤

皆さんアンドレ・カンプと言う作曲家をご存じでしょうか?普通にクラシック音楽を聴いている方でもなかなかその名前を「知ってる!」と言う方は少ないかも知れません。

1660年フランスの生まれ、1685年生まれのJ・S バッハより年上で、宗教関係の楽曲を手掛け、ノートルダム大聖堂の楽長も務めた人物です。

いつもならフォーレモーツァルトのレクイエムを掛けるところですが、今日はカンプらのレクイエムを戦争で命を落とされた方々に捧げたいと思います。

オジサンは無信心者なので、キリスト協に関わりがある訳では有りませんが、やはりこのような日にはこのような楽曲を、天に昇った方々に捧げたくなるのです。本当ならお経辺りが適切なのかも知れませんが、その点はご容赦願います。

さて偉そうに書いていますが、オジサンもカンプラの楽曲のレコードはこれ一枚しか持っていません。たしか昨年閉店した松本市にあった「クレモナ」の社長、金森氏に勧められて買った一枚と記憶しています。

カンプラについて詳しく知りたい方はググって下さい。

さて肝心の楽曲ですが「荘厳」の一言に尽きるとオジサンは思います。決してラッパが鳴ったり、派手なオケが鳴ったりする訳では有りません。全体に静々と進行していく感じが良いのです。

戦争で命を失った多くの方々、そして肉親を失った方々にこの曲を捧げ、今日一日静かに過ごしたいと思います。

 

今日の1枚・・・#40 ベートーヴェン ピアノトリオ「大公」

梅雨が明けた途端、まるで「災害級」の暑さに見舞われています。東北地方では梅雨末期(?)の大雨で、本当の災害が起きているようですが、皆さんお住まいの地域は如何でしょうか?

こんにちは、オジサンです。

オジサンの住む地域では、連日殺人的な気温が続いています。そんな中、この前の日曜日に寝室のエアコンが悲鳴を上げ、ついにダウンしてしまいました。まだ買って4年目と、比較的新しかったのですが・・。月曜に購入先の量販店に行き、事情を説明して早急に対応をお願いしたところ、当日(月曜日)中に修理の方が来てくれ、とりあえずガス補給をして使えるようになりました。

原因は「ガス抜け」との事でしたが「こんなに早くガスが抜けることは希で、どこかにピンホールが有って、そこから少しずつガスが漏れているかも」とのことで「ガス抜けの場所を特定するのが大変なので、中身をゴッソリ入れ替えます」と言う事でした。お陰で夕べは快適に眠ることができましたが、完全復旧には1週間ほど掛かるとのことでした。

ベートーヴェン ピアノトリオ OPー97「大公」

フルニエ(Vn)・ヤニグロ(Vc)・スコダ(P)

ウエストミンスター盤(日本盤・MONO)

さて今日はオジサンには珍しくベートーヴェンの作品を紹介したいと思います。前から何度も書いている通り、オジサンは殆どバッハとモーツァルトしか聴きませんので、ベートーヴェンのレコード(CD含む)は数えるほどしか手元に残っていません。

ベートーヴェンの作品で最もよく聴くのが弦楽四重奏で、特にアルバンベルク盤(OPー18 独EMI盤)は愛聴盤にもなっています。ベートーヴェンと言えば一般的に交響曲ピアノソナタを好む方が多いと思いますが、オジサン的には室内楽が好みなのです。

作品の詳細に付いては割愛しますので、詳しく知りたい方は他の方のHP辺りをググって下さい。

オジサンがこの盤を知ったのは、既にオリジナル盤が廃盤となって長い時が経ってからですので、この盤は日本盤の復刻です。一時期ウエストミンスター盤が大量復刻された時期があり、その時に買った中の一枚です。知り合いの所で聴かせて頂いたオリジナルに比べ、音の薄さが気になるものの日本盤にしては比較的まともな音がするとオジサンは感じています。

ジャケットはオリジナルの物をそのままコピーしたようで、裏面は英語表記になっています。(中に日本語解説も入っているが、読んだ事は無いです)

この楽曲の「名盤」をネットで検索すると、カザルス盤だったり、ティボー盤だったりと古い、いわゆるヴィルトオーゾ的演奏家が組んだ物が目立ちます。中にはカラフストリオなんてのも有りますが・・・。今日ご紹介する盤もヴィルトオーゾ的演奏ですが、比較的すんなりと聴ける盤だとオジサンは思います。

さて肝心の演奏ですが、オジサン的にはチェロのヤニグロの演奏が特に気に入っています。ヤニグロはイタリア生まれのチェリストですが、音質的には非常にフクヨカで繊細な音を出す演奏家だと思います。一時期ヤニグロにハマって何枚か買い、今でもベートーヴェンチェロソナタ(ピアノはデムス)やハイドンのチェロ協奏曲は良くターンテーブルに乗ります。いずれもMONO録ですが、非常に知的な音がして好きです。

またスコダのピアノが良い・・・これだけの大物が集まった演奏だと皆が「俺が、俺が!」的な演奏になってもおかしくないと思うのですが、スコダのピアノは控えめで優しく、楽曲全体を支える様に聴こえるのはオジサンだけでしょうか?

MONO盤は殆ど聴かないという方でも十分楽しめる音質と演奏ですから、是非一度耳にしてみて下さい。YouTube辺りでも聴けるかも知れませんので、緩徐楽章だけでも良いので、聴いてみて下さい。

 

今日も殺人的な暑さになるという事なので、籠もって音楽でも楽しみたいと思います。

オーディオの流儀・・・Ⅱ

どうやら梅雨明けのようで、今日は朝から夏の強い日差しが照りつけ、現在の気温は32℃に達しています。皆さんお住まいの地域は如何でしょうか?

こんにちは、オジサンです。

今年は梅雨時から熱い日差しが照りつけ、梅雨がいつ始まったかも分からないようでしたが、これから本格的になるんですねぇ。

さて今日は多少エネルギーも復活しましたので、昨日の続きを・・忘れないうちに書いておこうと思います。昨日もお断りしましたが、これから書くことはあくまでもオジサンの主観ですから、余り気にしないで読んで頂ければ幸いです。

オーディオの流儀・・Ⅱ

昨日も書きましたが、オーディオ装置の中で中心となるのはスピーカー(以下 SP)である事は間違いが無いと思います。オーディオの音質を決めるのは最終的に空気を振動させて音を放出するSPなのです。勿論放出された音は部屋の空気を伝わってリスナーの耳に届く訳ですが、部屋の環境も厳密に言えば音質に影響を与えます。

多くは部屋の容積(面積では無い)であったり、壁の材質であったり、家具等の多少であったりするわけですが、一般的なリスナーはそれ程容積の大きな部屋に住んでいる訳でもなく、壁も新建材だったりするわけですので、その点は一応無視(本当は無視できないが)して話しを進めます。

ケーブルについて

ケーブルについてはこれまで何度もこのブログで扱って来ましたので、これから書くことはかなりの部分重複する恐れが有りますが、その点はご容赦下さい。

単品で買った装置でも、イヤホンやヘッドホンでも、装置と装置を結ぶケーブルは必要になります。ケーブルはオーディオにとって「血管」と称する方も居ますが、オジサンは「必要悪」だと思っています。考え方は様々ですが、必ず言えることは「音を良くするケーブルは無い」と言う事です。いかなるケーブルを使おうとも、必ず信号の損失は有るモノで、優秀なケーブルはその損失が少ないモノを指すとオジサンは考えています。(最近ではBluetoothで信号を飛ばすモノも有りますが、それは横に置いて下さい)

「ケーブルで音が変わる」と提唱したのは江川三郎氏でしたが、氏は「音が変わる」とは言っていますが「音が良くなる」とは言っていないように記憶しています(オジサンの記憶違いかも)

確かに使うケーブルによって音質は多少変わると思いますが、それが良い方向(目指す方向)へ変わるとは限りません。もし音が良くなった様に感じるケーブルが有ったとしたら、それはそのリスナーの装置の不備な点を補い、補正してくれるからだと思います。

これはオジサンが長年使っているBelden 9451と言う何の変哲も無い、今では細いケーブルに分類される様な一本ですが、オジサンはこの程度で十分音楽は楽しめると考えています。

昨今新素材やホースの様に太いケーブルを推奨する方が多く居ますが、例えプリアンプとパワーアンプ間にブットイケーブルを入れても、アンプの内部配線はどうなのでしょう?SPのボイスコイルはホースのような太さですか?

またケーブルの材質についても然りです。銀線が一時オーディオ界を席巻した時代がありました。また銅線も様々な手法で純度を上げ、最近では当たり前のように6N(純度99.9999%)は当たり前で、9Nなんてもの存在するようですが、カートリッジのコイルは?アンプの内部配線は?と言う事になります。もし銀線や高純度銅線を使うなら、全てのケーブル、配線を統一しないと何の意味も持たないのでは無いでしょうか?

オーディオを構築(ちょっと大袈裟?)するにあたり、最初にSPを選択する事は書いた通りです。そしてアンプを選び、実際に音を出すにはアンプとSPを繋ぐケーブルが必要になるわけですが、ここで問題になるのがSPケーブルです。

オジサンは今、LANケーブルを使っていますが、LANケーブルは何の変哲もない銅線でできています。SPケーブルとして名高いBelden8470や8460は錫メッキ銅線で左右の線を撚ってあるのが特徴と言えば特徴です。LANケーブルも被膜の中で撚っています。

SPの製造(開発)時期がいつ頃なのかによって、やはりチョイスするケーブルは変わって来ると思います。これは昨日書いたアンプと同じで、SPを開発、音決めする段階でどの様なケーブルを使って行われたかが問題になります。オジサンの所の様なオールドSPを開発するとき、恐らく銀線は無かっただろうし、高純度銅線も存在しなかったと思います。ヴァイタボックスは英国製ですから、もしかしたらルーカス線辺りを使っていたかも知れませんが、ルーカス線も普通の銅線で、特別太い訳では有りません。

ケーブルの場合、構造的には1970年代のオーディオ全盛の時代とそれ程大きな変化は無いと思います。ただし製法、素材については大きく様変わりしているので、アンプ同様SPが造られた時代に沿ったモノ、或いは製法で造られたモノを選ぶのが良いと思います。

セッティング

さてオーディオ装置のセッティングは部屋の構造(床強度など)によってかなり変わりますので、正解というモノは有りませんが、一応重要とされているのが「振動対策」です。特にアナログプレイヤー(以下 プレイヤー)は振動対策が重要です。

プレイヤーの振動対策は大きく分けて二通り、ガチガチ型かフワフワ型かです。ガチガチ型の代表がマイクロ精機とすれば、フワフワ型の代表はトーレンスと言えるかも知れません。

振動対策以外で重要なのがSPのセッティングです。一般的には内側に向け、ツイーター(高音担当)がリスナーの耳の高さになるようにすると言われていますが、これも好みの問題で、オーディオ華やかかりし頃は「逆オルソン型」なんてセッティングもありました。

先日お伺いした喫茶店で使われているTANNOY コーナーヨークは上から見ると三角形をしたSPでその名の通り、本来は部屋のコーナー(隅)に置いて使うことを前提として開発されています。部屋の隅にSPを置くことで低域を補強する狙いがあります。開発時もその様にセッティングしてネットワーク等を調整していると思います。

Corner Yorkの画像

写真はオーディオの足跡からお借りました

このように使う場所を考慮して開発されたSPをそれとは異なるセッティングで使用すると、開発時とは異なる音質になることは必定です。例えば部屋の隅に置かず、左右を開けて正面向きにセットした場合、非常に低音不足の痩せた音質になってしまいます。

逆にスピーカースタンドの使用を前提として開発された様な、ブックシェルフ型SPを床に直置きしてしまうと、床からの反射音が過剰になり、低域の籠もった感じになります。SPはケーブルと同様、開発時に前提とされたセッティングで使用する事が肝要なのです。

更に最近は様々なインシュレーターが開発され販売されています。SPに限らずアンプやプレイヤーでもインシュレーターを噛ましてセッティングすることは決して悪いことではありませんが、何を勘違いしたか何種類ものインシュレーターを噛ませている方を見掛けることがあります。

複数の材質(硬さ)の異なるインシュレーターを組み合わせてしまうと、それぞれの良さを打ち消すだけで無く、音が濁る可能性が有りますので、インシュレーターの使い方には十分な注意が必要です。

オジサン的には硬質な木材(黒檀、紫檀等)を一発で使うのが良いと思います。ゴム系は・・・お勧め出来ませんが、部屋の構造等によっては必要になるかも知れません。

最後に

オーディオで音楽や音声を聴くことは非常に個人的な趣味である事は既にご承知頂いていると思います。従って、各リスナーがどの様な装置を使い、どの様な音で、どの様な音楽(音声)を聴こうが他人には全く関係ないことです。

しかし様々な年代に造られた、特にビンテージと呼ばれる装置を使う場合、その開発時の事まで考慮に入れ、各装置の選定、ケーブルの選定、セッティングにまで気を遣わないと本来の性能は発揮できない事を心に留め置くべきだと思います。

オーディオは単品で高音質(高価では無い)の部品を揃え、それを繋げば良いというモノではありません。その部品が開発された時代にまで考えを巡らせ、その製品の特徴を最大限に生かす様に使いこなしてしてあげることが肝要です。

ビンテージと言われるSPに憧れ、せっかくそれを手に入れても、全く開発コンセプトの異なるアンプを併せてしまえば、そのSPに対する評価は「駄目」となってしまいます。

そうならないよう、色々と調べてからオーディオ装置を揃える事をお勧めします。また色々な人の装置を聴かせて頂くのも大切だと思いますので、沢山の友達、先輩を見付けだして下さい。

オジサンでした・・・。

PS:色々書いて来ましたが、最終的に装置から出てくる音を決するのは「ソフト」です。どれほど調整された装置を使っても、ソフトがボロでは良い音(好む音)がしないことは心に留め置いて下さい。「10万円有ったら、7万をソフト、残りをオーディオに遣え」と言うのが師匠の口癖でした。今でも会えば同じ事を言われます。ソフトの重要性を認識しましょう。

オーディオの流儀・・Ⅰ

九州南部が梅雨明けしたとニュースで知りました。オジサンの住む地域も後2~3日で梅雨明けとなりそうですが、皆さんお住まいの地域は如何でしょうか?

こんばんは、オジサンです。

今年は梅雨入りが例年に無く遅れ、その割に梅雨明けはほぼ例年並みになりそうですが、そうなると夏の水不足が懸念される地域も出て来そうです。先日も書いた通り、田圃の水不足が心配ですねぇ。昨年の猛暑が祟り、今年は米も値上がりし、家計は火の車のようです。オジサン家も例外では無く、最近はダイエットを兼ねて夕飯を少なくしています。

先日師匠と会う機会に恵まれ、久しぶりにオジサンが50年以上お付き合いのある喫茶店へ一緒に出掛けて来ました。この喫茶店は、TANNOY コーナーヨーク(モニターゴールド)を開店当初から鳴らしている店で、オジサンがオーディオやクラシック音楽に目覚める前からのお付き合いです。師匠もYAMAHA時代に何度か、その後も何年に1回は訪れているようでした。

オーディオの流儀

これから書くことは師匠と話しをしていてオジサンが個人的に感じた事であることを最初にお断りしておきます。オーディオは元々非常に個人的な趣味ですから、リスナー個人の考えが反映され、リスナー自身が納得していれば、周りがトヤカク言う事では無い事を承知の上で書きます。

さて「流儀」をネット辞書で調べてみると「技能・芸術など、その人、家柄、派などの独自のやりかた」また「一般に、もの事のやり方」と出てきます。と言うことは、オーディオは各リスナー個人の流儀で音造りをすれば良いわけで、そこに「決まり事」は無い事になります。

しかしオーディオはあくまで機械と機械の組み合わせな訳ですから、ある程度の「法則」みたいなモノが存在する事も確かだとオジサンは思っています。例えばフェラーリの様なスーパースポーツカーに貧弱なタイヤを履かせたらどうなるでしょう?フェラーリの持つパフォーマンスを十分発揮できなくなり、最悪の場合は事故に繋がる危険さえはらんでいます。

オーディオもまた合わない機械同士を組み合わせると・・・自動車と違い事故を起こすような事は有りませんが、どこか、何かが違う音質になってしまう場合が多々有るように思えます。しかしどれとどれが合わないかはどこにも書かれていないし、リスナー一人一人の目指す音質、理想とする鳴り方、経済状況などが異なるわけですから、一概に答えが無いのもオーディオの世界なのです。

「これが俺の流儀(やり方)」だと胸を張って言われれば、他人は「えぇ~?」と思っても口出しをできないのです。

スピーカーが中心

オーディオの音質を決める最も重要な装置はスピーカー(以下 SP)である事はオーディオを少しでもイジった経験のある方ならご理解頂けると思います。オーディオ装置を揃えるとき、最初に気に入ったSPを選び、それに合わせてアンプやプレイヤー(CD含む)を選んでいくのが間違いが少ない装置選びだとオジサンは考えています。

SPにも様々な種類が有り、ユニットが一つ(片チャン)しか無いフルレンジから、複数のユニットを持つモノまで有ります。ユニットが一つのモノとして有名なのがTANNOY(実はコアキシャルという特殊構造を持っている。オジサンが使っているヴァイタボックスDU-120も同じ構造)で複数ユニット持っていて有名なのがJBL4343(下の写真)辺りでしょうか。

オーディオの足跡から拝借

今ではこのような大型SPを使う人も少なくなったと思いますが、オーディオ全盛の時代、誰でも大型SPに憧れを持ったと思います。

アンプ

さてSPを駆動(音を出す)するにはアンプが必要になります。アンプには大きく分けて3種類の方式があります。一つは真空管、もう一つはトランジスタ、そして2000年代になってから(?)話題になったデジタルアンプです。

いずれの方式も送られて来た信号をSPを駆動するのに必要なパワーまで増幅する役割を持っています。

アンプ選びで重要視するべきはSPとの相性だとオジサンは考えています。オーディオ全盛の時代は「BigPower」を売りにしたアンプや「A級駆動」(調べて下さい)を謳ったアンプが盛んにもて囃されました。特にBigPowerは各メーカー出力争いに心血を注ぎ「出力が大きい事がアンプの性能を決する」みたいになり、血眼になっていました。

しかし、一般的なリスナーはせいぜい6~8畳間で聴いているわけで、その様な場合は余程能率の悪いSPで無い限り数ワットの出力があれば十分音楽を楽しめると思うのですが・・。

真空管は柔らかく暖かい音がする」・・これもメーカーや評論家と言われる人が作った神話に過ぎないとオジサンは思っています。確かにトランジスタとは異なる音がすることは確かですが、トランジスタより柔らかい音がするかと言えば、組み合わせるSPや使用する真空管、更には回路によってかなりその評価は変わると思います。

オジサンも長年真空管アンプを使って来ましたが、それには一つの大きな理由があります。それは使っているSPが真空管アンプを使用して開発されたと言うことです。勿論1970年代初め、既にトランジスタアンプは開発されていたと思いますが、それはまだ一般的では無かったし、SPの音決めに使えるほどの製品が無かったとも考えられます。

できればどんな真空管を使い、どの様な回路のアンプを使って開発されたかまで分かれば良いのですが、オジサンにはそこまで調べる力は有りませんでした。そこで、当時一般的だった回路を使い、当時一般的だった真空管で造ったのが今のアンプです。

オジサンが使っているSPユニットは103db/w/mと言うとてつもなく高能率です。コレはSPに1Wの電力を供給してやると1m離れた場所で103dbの音圧を得られるというモノで、100dbと言えば電車が通る時のガード下ていどの音圧です。

その様な高能率のSPには数百wの巨大アンプは不要です。オジサンの狭い部屋ではせいぜい0.2~3wも有れば十分な音量を得られるのです。

アンプを選ぶとき、使用するSPと同時代に開発されたアンプ、もしくはその時代と同じ回路等で造られたアンプを選択する事が肝要だと思います。

デジタルアンプは能率の低い(動きにくい)SPと組み合わせると非常に良い結果を得られると思います。オジサンも一時期ヴァイタボックスにデジタルアンプを繋いでみたことが有ります。最初は結構良くなった感じを受けたのですが、暫く聴くうちに音がスカスカである事に気付き、直ぐに外してしまいました。まぁやってみないと分からないのがオーディオの世界ですから・・・。

SPの能力を発揮させるのは勿論アンプだけでは有りませんが、間違ったアンプを組み合わせられたSPほど悲惨なモノは有りません。SPとアンプの相性は十分ご注意頂きたいと思います。必ずしも高額なアンプがどの様なSPとも相性が良いとは限らないのがオーディオです。機会が有れば様々なアンプを繋いで試してみるのも勉強になると思いますが、泥沼だけはご注意下さい。

まだまだ書きたい事は多々有ります。

例えばケーブルの選択、セッティングのこと、プレイヤー等です。しかしオジサンのエナルギーが切れて来ましたので、今日はこの辺でやめておきます。続きは近日中に書きたいと思いますので、今日はご容赦下さい。