Bach BWV988(ゴールドベルク変奏曲)・・・CD色々Ⅱ

先程病院から帰って来ましたので、午前中の続きをⅡとして書きたいと思います。

ゴールドベルク変奏曲に付いては、本当に様々な録音が残されていますが、やはり名盤として名高いのはグールド演奏のモノと確信しています。そうとは分かっていても色々な演奏を聴いてみたくなるのがファンの性で、それは致し方ないと思います。色々な演奏を聴いて、自分なりのベスト盤を見つけ出す事も音楽を聴く一つの楽しみだとオジサンは思っています。そうなると同曲異演奏ばかりが溜まってしまいますが、気分よって聴く演奏を変えれば良いと思います。

コンスタンティン・リフシッツ(P)

この演奏は、ある書籍を読んでいて著者がやたら褒めていたので買った一枚です。

著書には「非常に美しい音色」と書かれていたので非常に期待していましたが、その点に付いては特に「すげぇ」とは思えませんでした。

リフシッツは1976年、ウクライナの生まれだそうです。2015年に同曲の2度目の録音をしているようですが、オジサンは新録の方は聴いていません。

当該CDは1994年録音との記載が有りますので、当時まだ18歳といったところでしょうか。同曲をやるにはちょっと早過ぎた感がりますねぇ(オジサンの勝手な意見です)

クラシック音楽の場合、結構若くして難曲を録音している演奏家もいます(例えばハーンの無伴奏とか)が、やはりそれなりに様々な曲を熟さないと出て来ない「円熟味」の様なモノが無いような気がします(これもオジサンの勝手な意見です)

当初リフシッツが何歳でこの録音を行ったか・・・全く気にしないで聴いてみましたが、その後録音時の年齢を知り「なるほど」と思った次第です。オジサン的には楽曲に対する理解が浅い(生意気な事を言うな!)と感じました。何となくうわべだけ(楽譜通り)を弾いているような演奏に感じます。新録の方はどうなんだろう?

オジサンのような素人の意見ですから、玄人の方が聴けばそれなりの良さが分かるのかも知れませんが、オジサン的には余り好みでは有りませんです。

マルティン・シュタットフェルト(P)❤❤

とある書籍によると「グールドの再来」との評価がされているシュタットフェルトですが、恐らく本人は「グールドの二番煎じじゃやだねぇ」位に思っているかも知れません。しかし、その演奏を聴くとやはりグールドの影響を大きく受けている様に思えます。

1980年、ドイツの生まれですから生まれた時からグールドの旧録(1955)は有ったし、物心ついた頃には新録(1981)も身近に聴いていたかも知れません。当該録音は2003年ですから、シュタットフェルト23才の時のモノです。前出のリフシッツと年齢で4才差、録音はリフシッツよりも5年遅い(年齢的に)事になります。

演奏自体はやはりグールドの影響でしょうか、早いところと遅いところが明確ですが、グールのノンレガートに比べればピアノを歌わせているような感じを受けます。オジサン的には結構好きな演奏ですが「グールの再来ならグールドを聴けば良いじゃん」と影の声が聴こえて来ます。まぁどちらを選ぶかはその時の気分次第でしょうか。

変な言い方ですが、当該楽曲はやはりある程度年齢を経て、様々な経験をした後の方が演奏に深みが出る様な気がします。オジサンの勝手な思い込みでしょうが、楽譜自体に表情が少ない曲(バッハやモーツァルト)は、演奏家の内側がそのまま音(演奏)に出る様な気がします。オジサンの勝手な意見ですが・・・。

マティアス ストリングス(弦楽三重奏)❤❤

最後にご紹介するのは弦楽三重奏によるゴールドベルク変奏曲です。

このCDは以前紹介した松本市の「クレモナ」閉店時にお邪魔し、棚の中にポツンと残っていたモノを買った一枚です。帰りの車の中で聴くつもりで買った一枚ですが、これが結構良いのです。

オリジナルはチェンバロのために書かれたと思いますので、ピアノ演奏も「色物」と言えば言えない事も無いと思いますが、これは全く趣を異にする演奏に仕上がっています。しかし、意外にこれがハマります。聴いていて落ち着くと言うか、何も考えずに聴いていられるとでも言ったら良いと思います。

世の中にはオリジナルと全く異なる楽器で演奏する様に編曲されたモノは多々有りますが、大体の場合(チェンバロとピアノの関係を除き)オリジナルの方が優れていると勝手に思っています。例えば先日Bachのヴァイオリン協奏曲をピアノとヴァイオリンで演奏したYouTubeをたまたま聴きましたが、何だか物足りない気分にさせられました。

今回はゴールドベルク変奏曲について書きました。オリジナルはチェンバロのために書かれたモノですが、オジサンはピアノ版の方を好んで聴いています(時々ピノック盤も聴きますが)

先にも書きましたが、同曲異演奏を楽しむのもクラシック音楽(Jazzもそうか)の楽しみの一つだとオジサンは考えています。特にオジサンのように聴く作曲家が限られている場合、そうしないと楽しみが続かないのです。

もうそれ程長い人生は残されていないと思いますので、様々な演奏を楽しんで行きたいと思っています。

追伸:勝手に❤マークを付けていますが、これはあくまでもオジサンの感覚で付けているモノですので、余り参考にしないで下さい。お聴きになる方は、ご自分の感性に従ってお好きな演奏を探して下さい。世の中には多くの同曲の録音が有りますので・・。