梅雨の晴れ間で気温がうなぎ上りの日が続きましたが、皆さんお元気にお過ごしでしょうか?
こんにちは、オジサンです。
6月の半ばだと言うのに、オジサンの住む地域では2~3日前、35℃を超える猛暑で、暑さになれていない身体が悲鳴を上げていました。幸いオジサンの家は風通しが良く、窓さえ開けておけば部屋の中はそれ程の暑さにはなりませんでしたが・・・。
それにしても、この時期ってこんなに暑かったですかねぇ。これも温暖化の影響でしょうか?本格的な夏が心配です。
さて先日オーディオのプリアンプの要否に付いて書きましたが、ついにオジサンの所もプリアンプを外す日が来たようです。
OKADA DESIGN製ステレオフェーダー
質の良いフェーダーもしくはボリュウムを組んだ音量調整器をここ数か月に渡って探していました。探すと言っても中古市場やヤフオクで見ていただけですが・・・。
オーディオの中で音量調節器(フェーダーやボリュウム)は音質に大きく影響をする事は前回書いた通りで、この品質によって最終的に出て来る音はかなり変わります。従って、音量調整器は慎重に選びたいモノです。
しかし、今流行りの音量調整器付きパワーアンプ(言い換えればプリメインアンプ)の音量調整器は、こう言って良いなら「オマケ」的なモノが殆どで、その信頼性は???と言った感じです。中には音量調整器に着目して、少しは良い部品を使った製品も有りますが、それでもその部分にそれほど注力しているとは思えないモノが多いです。
そこでオジサンが考えたのが「音量調整器を独立させる」事です。前回も書いた通り、オジサンは30年以上前に入手したマランツのアッテネーターを持っていて、何度もプリアンプ代わりに繋いで音質を確かめて来ましたが、どうにも音痩せが気になり定着せずにいました。また、アッテネーターはボリュウムやフェーダーと異なり、音量調整時にクリック(カチカチ動く)し、その感触がオジサンは好きになれませんでした。
マランツのアッテネーターは非常に作りも良く、機能的にも素晴らしいモノだと思うのですが、どうにも気に入った音が出ない・・・。
そこで良質のボリュウムボックスか良質のフェーダーボックスなら・・・と考え、中古市場やヤフオクを彷徨っていた次第です。
出来ればフェーダーボックスが良いのですが、新品で販売されていて、オジサンのような素人にも入手可能なモノはバランス接続(調べて下さい)のモノが殆どで、オジサンの希望するアンバランス(RCA)接続のモノはほぼ皆無でした。ヤフオクやメルカリで何台か見掛けたのですが、どうにも怪しげなモノばかりで手を出す気になれません。
フェーダーで音質的に定評があるのが英国製のP&G、日本製なら東京光音のモノですが、P&G製のモノは高価でオジサンの手に負えませんし、東京光音製のモノは殆ど市場には出て来ません。噂によれば、東京光音はメーカー供給に絞っているようで、秋葉原辺りの部品屋でも新品の入手がほぼできない様です。となれば中古で探すしかないのですが、先ほど書いたように怪しげ(余りにも古いとか音質的に疑問が残るなど)で、買ってから後悔するのは嫌だったのです。
そんな事を続けながら数ヵ月、ついに見付けたのが「OKADA DESIGN」のステレオフェーダーボックスです。恐らくOKADA DESIGNに付いてご存知の方は少ないと思います。岡田氏はプロの音響設備屋さんのようで、美空ひばりの復活コンサート(東京ドーム)初め、多くの有名歌手の方のコンサートやディナーショーの音響設備を扱っている方のようです。多くの歌手の録音も手掛けているようで、その現場で「自分が使いたいフェーダーを自作した」との事でした。
オジサンはたまたまネットでその画像を見付け「フェーダー販売します」の文句を頼りに連絡を取ってみました。HPでの日付は7年前ですから、「既に販売していないだろうなぁ」と思いつつ連絡をしたのですが、その日の内にメールの返信が有り「新しいモノは部品調達が難しくできない。自分用として使っていた中古品で良ければ売ります」との返事が有りました。
直ぐにオジサンも返事を返し、購入の意思を伝えました。そこからは話が早く、2日後にはオジサンの手元に届いたのがこのフェーダーボックスです。
プロの方が現場で使う事を想定していますので、素っ気ないデザインですが、中身は東京光音製のフェーダー(現在入手不可)で、結構手荒い使い方にも耐えるよう、配線などはエポキシ系のボンドで固めてあるそうです。
当時(7年前)同業の方に7台ほど販売したそうですが、今は部品調達の関係で新作はないそうです。
新しいシステム
到着後、早速装置に繋いで、とりあえず音が出る事を確認しました。無事両チャンネルから音が出た時はホッとしましたが、まぁ当たり前と言えば当たり前の話しです。
そこで、以前入手してお蔵入りしていたiTube製(英国)のiFi microを取り出し、システムを組み直しました。iFi microは、真空管式の簡易プリアンプで、いつか質の良い小型スピーカーでセカンドシステムを組みたいと思って買っておいたモノです。
このアンプは裏のスイッチでボリュウムを通さないバッファアンプとしても使えますので、フォノイコライザーからこのアンプに入れ、フェーダーボックスに繋ぎ、最終的にパワーアンプに信号を送り込んでやれば十分な音量が得られます。
これが新しいシステムです。考え方としては、「各部品(装置)はそれぞれに特化した役割だけを担わせる」と言うものです。
ピックアップ(カートリッジ)で拾った信号はフォノイコライザーで信号補正と一次増幅を行い、セレクター(FR製)を通ってバッファアンプに入り、フェーダーボックスで音量調整をしてパワーアンプに送り込まれると言うモノです。
つまり、普通は一つの躯体の中に入っている機能をそれぞれに独立させたようなモノです。
ではなぜ、このような面倒くさい事をするのか・・・ですが、先ほども書きました通り、一般のプリアンプ(かなり高価なモノでも)では、セレクターやボリュウムは比較的疎かにされがちにも関わらず、その部分が音質に及ぼす影響は無視できません。そこで、それぞれの部分に特化した部品を使い、音質の劣化を少しでも減らそうと考えた結果です。
ピックアップ系:SPU+SME3010R→TRIADトランス→ウエルカムフォノイコ
DENON103 +テクニカアーム→AU-300LCトランス→合研フォノイコ
ターンテーブル:GARRARD 401
セレクター:FR製 CS-2
バッファアンプ:iTube製 iFi micro(真空管式)
フェーダーボックス:OKADA DESIGN(東京光音フェーダー使用)
スピーカー:ヴァイタボックス DU-120(TANNOY ボックス)
これが新しいオジサンところの装置です。
出て来た音
これがビックリな音が出て来ました。もともとオジサンが目指していた音は「芯と響きがバランスした音」です。これまでのシステムである程度は納得の行く音が出ていたのですが、今一歩何かが足りない・・・何が足りないのか、オジサンにも薄ボンヤリとしか分かっていなかったのですが、それが今回の装置の変更で明らかになりました。
それは・・・奥行き感・・・だったのです。
システム変更後、聴きなれたレコードを何枚か聴いてみました。特にオペラ(魔笛)辺りでの改善が顕著でした。歌手がどの位置でどちらを向いてい歌ってるかが明確になりました。それまで、歌手がどの位置(前後左右)で歌っているかは分かりましたが、歌手は常に前(リスナー方向)を向いて歌っていたのです。
それが相手方の方を向いて歌っているのが分かります。そして、前後の位置関係が深く(舞台の奥行きが広く)なったように感じます。
まぁオジサンの駄耳での事ですから、余りあてにはなりませんが。
もう一つ違った点と言えば、通奏低音(バッハの協奏曲などで使われるチェンバロ)の音が非常に明確に、きっちり定位(位置が良く分かる)するようになったことです。
やはりプリアンプは必要です!
実は、このシステムに辿りつく前、iFi microを繋がず、セレクターの後にフェーダーボックスを繋ぎ、そのままパワーアンプに信号を送り込んだ音も確認しています。マランツのアッテネーターを使った時と同じく、音が痩せて聴こえます(マランツの時ほどではありませんが)。
そこでiFi microをバッファアンプとして使う事を思い立ったわけですが、出て来た音を聴いて、やはりパパワーアンプの前段での増幅も必要だと思いました。
今回のシステムは言ってみればプリアンプと同じわけで、プリアンプの持つ機能をそれぞれ外に出したに過ぎません。しかし、各部品を選択し、品質の良いモノを使えばそれなりの好結果が得られると言う事です。
まだまだこれからもオジサンの挑戦は続きますが、このシステムでしばらくは音楽を楽しく聴けると思います。外したプリアンプと小型良質のスピーカーを組み合わせてセカンドシステムを組む夢を見ながら・・・。
これから本格的な梅雨になり、その後は暑い暑い夏が控えています。くれぐれも熱中症に罹らないようご注意下さい。それとコロナにもご注意!