プリアンプ要否論

ついに梅雨入りの様相ですが、皆さんお元気にお過ごしでしょうか?

こんにちは、オジサンです。

本格的な雨にも関わらず、子ねこ達は元気に雨の中を飛び回っています。オジサンも今日は少しだけ外出しました。と言うのも愛車Copenに10日以上乗っていなかったので、バッテリー上がりとオイル下がりが気になって少し走り回って来ただけですが・・・。

さて、オーディオをイジッテいると色々な事を考えるもので、最近オジサンはプリアンプの要否に付いて真剣に考えています。

アンプの移り変わり

最近はCDを愛用する方が多く、ボリューム付パワーアンプにダイレクトにCDプレーヤーを接続して、パワーアンプ(これもプリメインアンプか?)のボリュームで音量調整をする方が多いようです。

プリアンプとパワーアンプの役割や、プリメインアンプに付いては他の方のHPに詳しく書かれていますのでオジサンは割愛します。

プリアンプは、オーディオ全盛の時代(1970~80年代)、様々なソースに対応するため必要不可欠なモノでした。レコードを聴くために必要なフォノイコライザーを搭載したモノが主流で、マランツー7やマッキントッシュのC-22等の名器を生み出しました。

1982年のCD発売以来、CDの音質が評判となり、徐々にプリアンプからフォノイコライザーが姿を消しました。おそらく(オジサンの記憶はいい加減だが)、1990年以降に新規発売されたプリアンプの殆どからフォノイコライザーは消えたと思います。

更に、2000年代に入ってからは、ボリューム付パワーアンプの登場によりプリアンプそのものの存在価値が怪しくなっています。その流れは現在まで続き、パワーアンプと言えばボリューム付(言い換えれば簡易プリアンプ)が一般的になっています。

オジサンがオーディオに現(うつつ)を抜かしていた頃は、ボリューム付のパワーアンプはほとんどなく、音量調整はプリアンプで行うのが当たり前でした。

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これが今現在オジサンが使っているパワーアンプ(6V6シングル)です。2007年に福島県喜多方市のマニアの方に作って頂きましたが、この時既にボリュームが付いています。ボリュームの有無に付いては、製作者と打ち合わせの上、最終的にオジサンが折れる形で付ける事にしたのですが、一応アルプス製の良いモノを選んで頂きました。

オジサンは今でも「パワーアンプにボリュームは不要」論者です。

ボリュームの役割

もし、CDプレーヤーからパワーアンプに直接信号を送り込んで、アンプのフルパワーで鳴らしたとしたら、大概の場合、隣近所からクレームが来ますし、リスナー自身も大音量過ぎて聴いていられないと思います。余程小出力のアンプ(2~3W程度)で余程能率の悪いスピーカー(80db/w/m程度)でない限り、この様な現象が起こると思います。

現代の(小型デジタルアンプでも)アンプは出力競争をしているようなところがあり、50W/chなんてのは小さい方で、100Wを超える様なアンプもザラです。本当は一般家庭で普通に音楽を楽しむには、余程能率の悪いスピーカでない限り5Wも有れば十分なんですが、やはり商売にする(売るため)には、アンプの場合大出力をうたい文句にしなければ売れないんでしょうねぇ。ちなみにオジサンところのパワーアンプは片ch3Wです。これでもボリュームはかなり絞って聴いています。

ボリュームの役割は「適正な音量に調整する」のが主な目的ですから、やはり信号の途中にボリュームが無いと不便なのです。

プリアンプ不要論

今はソースとしてCDやPCが主流となり、カートリッジ(レコード針)のような微細な信号では無く、ある程度の大きさを持った信号がソースから供給されるため、ボリューム付パワーアンプにダイレクトに繋いでも十分な音量を得る事が出来ます。レコードのようにフォノイコライザーを通す必要も有りませんので・・・。

ボリューム付のパワーアンプならパワーアンプのボリュームで音量調整が出来ますので、大変便利です。

しかし一般的(?)にパワーアンプはスピーカーに隣接した場所に置き、スピーカーケーブルを短くした方が音質的には有利と言われています。(デスクトップ型のシステムを組むならすぐ近くにアンプが来るわけですから、椅子に座ったまま音量調整が出来ますが・・・)

本格的なシステムとなれば、リスニングポイント(聴く位置)とアンプは少し離れる事が多くなると思います。そうなると手元に音量調整が出来る部品(ボリュウムなりアッテネーター)が有った方が細かい調整が出来る事になります。PCならPCに付いているボリュームで調整する事が可能ですが・・・。

であれば、やはり手元にプリアンプ、又はその代わりとなる部品(ボリュームかアッテネーター等)が欲しくなるのは当然です。

オーディオは一般的に「回路が少ないほど音質的に有利」と言われています。信号が通る道、特に接点が少ないほど音は新鮮に、ダイレクトに鳴ると言われています。つまり、プリアンプのように信号増幅回路を持っているような部品では無く、ただ単に音量だけを調整した方が良いと言われています。

確かにその通りで、回路は少ない方が音質的には有利である事はオジサンのような素人にも良く分かる理屈です。信号は回路を通る度に劣化(信号が減ったり、変形する)しますので「回路は出来る限りシンプルな方が良い」と言うのがプリアンプ不要論です。

本当にプリアンプは音を劣化させるか?

これは間違いなく「正論」だと思います。プリンプは間違いなく信号増幅回路を持たないボリューム(最近はパッシブプリとか言う)やアッテネーターより信号は劣化します。ただしこれは測定器で測定した場合の話しで、測定器の結果=聴感上の音質とならないところがオーディオの面白さなのです。

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これはオジサンが使っているプリアンプ(と言ってもラインプリ)です。横浜のウエルカムで特注で造って頂いたモノですが、一般のプリアンプに付いているようなトーンコントロール(調べて下さい)も左右のバランス調整も付いていません。ただ単に受けた信号を増幅してパワーアンプに信号を送り込むだけのモノです。

トーンコントロールやバランス調整機能を外したのは、先に書いた通り、回路を通る度に信号は劣化すると考えた結果です(間違っていなかったと今でも思っている)。

増幅型(アクティブ)プリか不増幅型(パッシブ)のボリューム又はアッテネーターか?

先にも述べた通り、プリアンプの大きな役割は音量調整ですから、できれば手元に置いていつでも音量を合わせるようにしたいものです。パワーアンプのボリュームは固定して、手元のプリアンプで音量調整を行うのが良いとオジサンは思います。

ではプリに増幅回路は必要か否か・・・と言う議論はネット上でも盛んに行われています。増幅回路不要論者は「シンプルな回路にした方が音質の劣化がない」と言う正論で、増幅回路必要論者は「プリアンプを入れないと音が痩せる」等の精神論になります。ネット情報だけを見ていると、断然「不要論者」の意見の方が正しいと思うのですが、先ほども書いた通り、音は測定値=聴感上の音質では有りませんので、何とも言えないのです。f:id:tenikichi21:20200610200304j:plain

これはオジサンが30年以上前に手に入れたマランツ社製のアッテネーターボックスです。当時オジサンも「回路は短い方が音質が向上する」と考えて手に入れたモノです。中は非常に凝った作りのアッテネーターで、マランツ社は当時結構な台数売ったと思います。

オジサンの悩み

マランツ社のアッテネーターボックスを入手して30年以上経つと言うのに、いまだにオジサンの中では増幅回路の要否に付いて結論が出ていません。

このところのコロナ禍で外出自粛が続き、時間を持て余しているものですから、ここ2週間ほど、プリとアッテネーターを繋ぎ替えては音質を聴き比べています。

しかし、いまだ結論をみることは有りません・・・。

アッテネーターを通した音は、確かにクリアで「何も足さない、何も引かない」と言うオーディオの理想に近いような気がします。一方プリアンプを通した音は確かに何かが足されているような(ふくよかに鳴る)気がします。

では、どちらが音楽を聴いていて楽しいか?と問われれば、後者に軍配が上がります。バイオリンの響き、オーケストラの響き、歌手の表情、どれをとってもプリアンプを入れた方が音楽がふくよかで、楽しく聴こえます。

では、「オーディオとしてそれで良いのか?」と自問自答の日々なのです・・・。

オーディオはそれが楽しいのですが・・・(それじゃぁ、悩みじゃないじゃん)。

余計な事

余計なお世話ですが、最近オーディオ関係の商品説明を見ていると「パッシブプリアンプ」なる言葉をよく目にしますが、本来アンプと言う言葉は増幅回路を持つモノに使うべき言葉なので、増幅回路を持たないボリューム単体(セレクターを含む)やアッテネーターには使わない方が良いと思います。アンプと表記すると増幅回路があると思ってしまう人も多いと思いますので・・・。

大きなお世話ですが・・・。

 

オーディオでまだまだ悩みが尽きないオジサンでした。ついにオジサンの住む地域も梅雨に入ったようです。子ねこが心配ですが、母親が付いているので大丈夫でしょう!