小説「さぶ」

なんだか記録的、殺人的な暑さが続いていますが、皆さんお元気にお過ごしでしょうか?

おはようございます、オジサンです。

8月9日、オジサンが引越しをして丁度1年になりました。昨年の今頃は引越し、家族の退院、退職の手続き、テニスチームの解散等々、暑さも忘れてバタバタしていました。

1年が経ち、生活も大分落ち着いて来て、少しは自分の時間も持てるようになりました。音楽を聴いたり、本を読んだり、庭いじり(ジジくさ!)等で時間をつぶしていますが、やはり音楽を聴きながら本を読んでいる時間が最も長くなっています。

本は市立図書館で借りて来るので、本代は掛からないで助かっていますが、何を読んだら良いのか・・・何が読みたいのかさえも分からない自分が情けなくなります。とりあえず手あたり次第に読んでいる状態ですが、先日 山本周五郎さんの書いた「さぶ」を久しぶりに読みました。もう何度目でしょうか?おそらく3回は読んでいると思いますので、今回が4回目くらいでしょうか?

 

 

 

 

 

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画像はAMAZONから拝借しました

時は江戸時代末期の話しですから、今の情勢とは異なりますが、オジサンが子供の頃と比べればそれほど大きな差はないと感じます(って、歳は幾つなんだよ!)。

話しは人間模様と一人の男の精神的葛藤を描いたモノですが、この手の小説としては、オジサンの少ない読書歴の中では 吉村昭さんの書いた「破獄」と同様、傑作だと思います。(破獄も3回ほど読みました)

両小説とも映画やドラマにもなっていますので、中にはご覧になった方も居ると思います。人の心の変化、葛藤、周囲の人の心情、人の優しさ等が見事に映し出された傑作ではないでしょうか?島崎藤村さんの書いた「破戒」も人の心の葛藤を描いた見事な小説だと思いますが・・・。

「さぶ」は丁稚奉公時代から成人になるまでの紆余曲折を書いた話です。今の若い方には「丁稚奉公」なんて想像もできないでしょうし、既にその言葉は死語になっているかも知れません。

オジサンが子供の頃はまだそれに近い制度と言うか風習が残っていました。都会でそれを見る事はなかったかも知れませんが、オジサンが育ったような田舎町ではそれに近いモノが有りました。オジサンより少し年上の方々の「集団就職」もそれに近い感覚が有ったのではないでしょうか?

中学卒業後、同じ年頃の人と集団で夜汽車に乗って、着いた都会の見知らぬ街で暮らす不安は、経験した者でなければ分からない不安で一杯だったと思います。今のような「パワハラ」なんて言葉もない時代ですから、会社や職場では親方や上司から心無い言葉や暴力を受けた方も少なくないでしょう。そんな時代だったんですねぇ・・・。

オジサンは幸いにして社会に出てからそのような経験は有りませんが、中学、高校時代は今で言う「暴力教師」も多く、坊主頭から血が出るほど下敷きの角で殴られたり、竹刀を持って授業をやる先生などが結構いました。今では想像もつかない事でしょうが、当時はそれが「普通」だったのだと思います。

話しが「さぶ」から逸れてしまいましたが、皆さんも機会が有ったら一度「さぶ」を読んでみて下さい。

 

まだまだ殺人的暑さとコロナ禍が続きそうです。帰省を諦めた方、夏の旅行を諦めた方、一度図書館へ足を運んでみて下さい。