グレン・グールドと言う芸術家

秋が日増しに深まって行くような11月初旬ですが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか?

こんにちは、オジサンです。

日々介護に追われ、朝から晩まで忙しくしていますが、最近やっとペースがつかめて来て、2時間程度は自分の時間が持てるようになりました。そんな時間はレコードを聴いたり、こうしてブログを更新したり、テニスに出掛けたり、家の修繕をするようにしています。10月は本当に天気の悪い日が続き、何もできずに過ぎてしまった感じです。

さて、以前にも少し触れたと思いますが、皆さんはグレン・グールド(以下GG)と言うカナダ人のピアニストをご存知でしょうか?人となりに付いては他の方のHPで超詳しく書かれていますので割愛しますが、「クラシック界の奇人」とも「天才」とも呼ばれたピアニストですが、オジサンは非常に高く評価し、愛聴しています。

GGの演奏(特にバッハは)普通(何が普通か分からないが)のピアニストに言わせれば「法則を無視した演奏」と言う事になるようです。オジサンの従弟でピアニストだったAも「なんか変だ!」とよく言っていましたが、「ピアニストとしてではなく、一般の聴衆として聴くなら最高のバッハだ!」とも言っていました。

ピアノに触った事もないオジサンにとっては、この上ない芸術家に思えるのです。

二声のインベンション・三声のシンフォニア

数あるGGのバッハ演奏の中で、特に有名なのはやはりゴルドベル変奏曲でしょう。この曲をGGは2回録音していますが、「最初の録音が良い」と言う方と「いやいや、後の録音の方が・・」と言う方に評価は分かれるようです。オジサン的にはやはり死の直前に録音された後録の方が好みなのですが・・・。

そんな数あるGGのバッハ録音の中で「何が一番好きか?」と聞かれれば、オジサンは間違いなく「二声のインベンション」と答えると思います。フランス組曲もオジサン的には捨てがたいのですが・・・。

f:id:tenikichi21:20191105103304j:plain

このレコード、発売当時様々な物議を醸しだした一枚で、発売初版盤のライナーズノートにはGG自身が「釈明」の一文を書き「只今調整中」の言葉で締めくくっているようです。残念ながらオジサンの手元にあるレコードは初版では有りませんので、その一文は記載されていませんが・・。

では、何が「調整中」なのかと言えば、GGはバッハ当時の楽器、クラビーコード又はチェンバロにその音色やタッチを近付けようとして自分の持ち物のピアノを大改造(GGに言わせれば「手術」)をしたそうで、その調整が未完だった(GGは大満足?)ため、音質的には「???」の部分が多々あります。確かにオジサンの所の稚拙な装置で聴いても、最初は「なんだかオモチャのピアノみたいな音だなぁ」と思ったのを覚えています。

CBSのプロデューサーなど、周りの反対を押し切って発売されたレコードのようですが、聴けば聴くほどその演奏にハマって行きます。1回目より2回目、10回目より100回目の方が心に染みて来るのです。

確かに、ピアノの音はオモチャみたいだし、プロの演奏家に言わせれば「常識を逸脱した演奏」と言う事になるのでしょうが、オジサン的には「そんな事はカンケエねぇ」と言った感じなのです。

オジサンのレコード

オジサンはこのレコードを2種類持っています。一枚はフランスCBSのプレスで、日本国内で手に入れたモノ、そして写真に写っているのはニューヨークのグリフォンレコードで手に入れた米COLUMBIAの中古盤で、裏に15$の値札が付いています。

当時$1=100円程度のレートだったと思いますので、日本円で1500円程度だったでしょうか・・・。フランスCBS盤より音が太く(とは言っても元々オモチャのような音だが・・)良い音がします。既にジャケットはボロボロになり、テープで補修したりしていますが・・。

この時(1990年代)確か20枚程の中古レコードをグリフォンレコードで購入し、帰りの飛行機では手荷物として機内に持ち込んで大切にもってきた思い出が有ります。

その時買ったレコードはグールドの平均律(米COLUMBIA)、グールド&ストコフスキーのベートーベン第5番協奏曲等々です。この時買った盤は今でも大切に聴いています。

 

秋も深まり、芸術の秋とか読書の秋、更には食欲の秋と言われていますが、皆さんも焼き芋でも食いながら、GGのインベンションを聴いてみませんか、きっと焼き芋が涙でショッパく感じる事でしょう。

朝晩の気温差が大きい季節となりました。体調など崩さないよう、気を付けてお過ごしください。