アナログは過去の遺産か?

今年もいよいよ残すところ5日となりました。皆さん正月準備はお済みでしょうか?年賀状はもう出しましたか?えっ、メールで済ませる?そうですよね、その方が簡単で安上がりですよね。年賀状なんて、今では過去の遺産ですかねぇ・・・。

こんにちは、オジサンです。

オジサンは、今年の4月に奥さんの母上が亡くなったので、喪中です。久し振りに年賀状を出さない年末を迎えています。最近はPCでチャチャッと作れますので、それほど苦では無かったのですが、12月も半ばを過ぎると「早くやらなきゃ」と言う焦りばかりで、何のアイデアも湧かないのが常でした。もっと早くから、計画的にやれば良いのですが、何と言っても小学校時代は夏休みの宿題を最後の3日位でやっていた人間ですから、いまだにその癖が抜けずにいます。

さて、昨日はケーブル編Ⅱと題して、オーディオケーブルに対するオジサンの考えを書いてみましたが、読み返していて「アナログは過去の遺産になってしまったのか?」と言う考えが湧いてきました。そこで今日は、アナログに関するオジサンの考えを書いてみたいと思います。とは言っても、オジサンの知識なんて多寡が知れていますので、読んで頂いている方の中には「えっ、違うんじゃねぇの」と仰る方も居ると思いますが、そこは温かい目で見て頂ければ有り難いです。

アナログは過去の遺産?

レコードの歴史を辿ると、1857年、フランス人アダム・スコットによってその原型が発明され、1877年、エジソンによって再生可能な「フォノグラフ」が発明され(ウィキペディア)、その後SP時代を経て1948年にコロンビアから世界初のLPレコードが発売されたとあります。当初のLPレコードは録音時間が30分程度だった様です。

オジサンが子供の頃、爺さん(父方)の家に蓄音機が有り、オヤジの弟(末弟)にその音を聴かせて頂いたのがオジサンが再生音楽に触れた最初だと思います。何を聴いたかは覚えていませんが、なんだかすごく不思議に思った事を覚えています。

LPレコード発売当初はMONO録、MONO再生ですからスピーカーは一つで事が足り、その後45-45ステレオ方式が開発され、STEREO(左右から別の音が聴こえる2CH)時代が到来します。MONOからSTEREOに変わった当初「まるでピンポンの試合を見ているようだ」と語ったのは彼のEMIプロデューサーだったウォルター・レッグその人でした。有名なスピーカーであるTANNOYオートグラフ(剣豪作家の五味康介氏が使用していた)は、MONO時代に開発されたモノで、当初は1台で使用されました。

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(TANNOYオートグラフ オーディオの足跡HPより拝借しました)

アナログレコードはその材質がビニルとなり、様々な加工が可能になるにつれ、様々な方式のレコードが開発される様になりました。有名なところでは「4CH方式」「SQマトリックス方式」等が有ります。これらは音の広がりを意図したモノで、今で言う5.1CH方式に類するものとオジサンは思っています。

この様に時代と共に発展、発達してきたアナログレコードですが、1982年のCD発売と共に、急激な衰退をし、今では中古レコード以外、ほとんどその姿を見る事も無くなってしまいました。2000年以降、若者を中心に少しは復活の兆しが見えているようですが、それでも最盛期に比べるべきもない数量になってしまっています。

アナログレコードは過去の遺産になってしまったのでしょうか?

LPレコード

ちなみに皆さんは「SPレコード」の正式名称をご存知でしょうか?オジサンは長い間「Short Play」だと思っていましたが、正しくは「Standard Play」との事です。それに対し「LP」は「Long Play」だそうです。知ってました?だいたい今の若い人は「SP」も「LP」も聞いた事ないんじゃないでしょうか?レコードそのモノも見た事が無い方が多いと思います。

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(LPレコード)

1954年、アメリカレコード協会がRIAAカーブを規格化して以来、レコード(録音→レコード化)技術は急激に発展した様です。RIAAカーブとは、簡単に言ってしまうと「録音時の低域と高域に関する特性カーブ」と言う事になります。LP(EP等も含む)レコードは、低域が少なく、広域が多く記録されています。その理由は、低域を多く入れてしまうと、レコードの溝が太くなり、録音時間が限られてしまうためです。そしてこの特性を補正し、正しい音の波形(?)に戻すのがフォノイコライザーの役割です。世の中にはRIAAカーブ以外の特性を持ったレコードも有りますが、多くはRIAAカーブを採用しているようです(オジサンの勘違いかも?)。

1954年のRIAAカーブの規格化を待っていたかの様に、1950年代後半にはSTEREO盤が登場します。1958年には米国で45-45方式のSTEREOレコードが発売され、この頃から爆発的に再生装置が一般家庭に普及したようです。

オジサンの家に初めてSTEREO再生装置が登場したのは、遅れる事10年目の1969年だったと記憶しています。この頃既に友達の多くの家ではSTEREO再生装置を持っていて、何度か聴かせて頂いた記憶がります(勿論、昼飯や夕飯もご馳走になりました)。

オジサンが最も好きな録音年代

アナログレコードはこの様に急激で様々な発展、発達を遂げますが、1982年のCD発売以来、急速にその歴史に幕を下ろす事となりました。オジサンがオーディオをいじり始めて丁度2年目の頃です。

オジサンはオーディオをいじり始めてからは、クラシック音楽一辺倒となり(時々Jazzも聴くが)、買うレコードもクラシック音楽(主にBachとMotzart)ばかりとなります。この頃、本当に色々な勉強をさせて頂き、今でもその頃得た知識は有効に働いていると、オジサンは勝手に思っています。

前にも書きましたが、レコード(音楽)を聴き始めると、段々自分の好きな演奏家、レーベル(メーカー・原産国)、プロデューサー、録音技師等が決まってきます。それと同時に「録音年」にも好みが出て来るようになります。

先にも書いた通り、レコードの録音技術(レコード化も含め)は年々歳々発展を遂げ、録音機材等にもその技術が反映されるようになります。ウォルター・レッグ(EMI)がジョン・カルショー(Decca)の録音現場を見学してその最新技術に驚いたと言う話は有名です。ですから、同じレーベルのレコードでも録音時期によって音質や雰囲気に差が出るのです。録音技術の中にはマイクロフォンも含まれますし、テープレコーダーも含まれます。

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(マイクロフォン 写真と記事は一切関係ありません)

マイクロフォンではノイマン、レコーダーではアンペックス辺りが有名どころです。1960年代末、DGG(ドイツグラモフォン)はカラヤン指揮のベートーベン交響曲をマルチマイク方式で録音します。これはカラヤンが提唱したとも言われる方式で、それまで主流だった「ワンポイント録音」に比べ、「各楽器が鮮明に聴こえる」「ダイナミックレンジ(wikipediaで調べて下さい)が大きく取れる」と言うメリットが有ります。これはレコード制作に於いて革命的な録音方式で、それまで限られていたダイナミックレンジの中で演奏されていた楽曲が、コンサートと同じ奏法で演奏できるようになり、指揮者を初めとする演奏家にも朗報をもたらしたと思います。

しかしオジサンは、このマルチマイク録音が大嫌いで、どうも聴いていて不自然に聴こえるケースが多々有ります。特にオーケストラの中の木管楽器、本来それほど大きく聴こえるはずの無い木管楽器が不自然に大きな音で聴こえてしまう様な録音が多々有ります。これはマイクロフォンのセッティングや数の問題だと思いますが・・・。

勿論マルチマイク方式を上手く利用したレーベルも存在しますし、マルチマイク方式を採用しなかったレーベルも世界には多々有ります(多くはマイナーレーベルですが)。有名どころでは仏シャルランのワンポイント録音あたりですかねぇ。

話しが横道に逸れてしまいましたので、本道に戻します。

オジサンの所でオジサンの好きな音を出してくれるレコードの多くは、1950年代後半(MONO録含む)から1970年代半ばのモノです。特にこの時代の英国盤は非常にオジサンの好みで、Decca系のレーベルは特に良い音を出してくれると思います。また、北欧系の録音も非常に良いと思ってしまうのはオジサンだけでは無いと思います。

いまだにオジサンの部屋にはCDプレイヤーが有りません。iPodDAPへの録音はCD読み取り機を通じ、PCを利用しています。PCから音を出す事は可能だと思いますが、いまだにやった事が有りません(時代遅れのオジサン)。

これからもアナログレコードをこよなく愛し、大切にしようと思います。なんと言っても「過去の遺産」ですから・・・。