オーディオの話し・・・ケーブル編Ⅱ

クリスマスも終わり、いよいよ今年も終わりが近付いて来ましたが、皆さんお元気ですか~?

こんにちは、オジサンです。

クリスマスとか正月と言っても、オジサンには関係ない事なので普通の1日を過ごすだけです(さみし~!)。この前のクリスマスイブも普通に朝からテニスの練習をやり、午後は長年(30年以上)使っていた昇圧トランスの調子が悪かったので、修理していました。

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(「情熱のオーディオ」HPより拝借・本文とは関係ありません)

昇圧トランスと言っても、オーディオ・・・アナログレコード再生・・・をいじった事が無い方には「なに、それ!」と言われそうですが、レコード再生時に使用するカートリッジ(レコード針)の出力電圧を上げるための装置です。

オジサンが使っているのはTriad(トライアッド)のトランスを、新藤ラボでケーシングして販売していた物です。買った時に貼ったシールには「87/12」と有りましたので、既に購入から30年以上が経過した事になります。まぁ昇圧トランスの場合電気を使うわけでも無いので、ほぼ無故障で使えるのですが、今回はどうやらハンダ付けが一部浮いてノイズが発生していたようです。接点のハンダ付けを全てやり直して、復活しました。

オーディオケーブルの話Ⅱ

以前、オーディオケーブルに対するオジサンの考えを少しだけ紹介し、結論として「やってみなければ分からない」と中途半端な話で終わっています。オーディオは、非常に個人的な趣味で、言ってみれば嗜好品の様なモノですから、使用している本人が満足すれば、周りが何と言おうが関係ないのです。ケーブルの交換にしても、本人が「変わった」と思えれば、周りがいくら「変わっていない」と言っても関係ないのです。

そして変わったか、変わらないかを科学的に証明する事は非常に困難で、一般家庭にその様な測定器を持ち込むのは不可能と言っても良いと思います。また、その様な事を科学的に証明する事にどれほどの価値が有るのかも疑問です。

その辺りが「オーディオはオカルト」と言われる所以だとオジサンは思っています。つまり、「証明できない」あるいは「証明し難い」ところが、UFOや幽霊と同じで、見た人からすれば「見た」と言う事になるのですが、ではそれを「科学的に証明しろ」と言われると非常に難しい事になってしまうのと一緒なのではないでしょうか?

「オーディオはオカルト」と言われるもっとも代表的な例が「接続ケーブル」だとオジサンは思っています。「オーディオは入り口と出口さえ押さえておけば良い」と言われる様に、オーディオ(再生音楽)にとって入り口(プレイヤー)と出口(スピーカー・ヘッドホン)は音質にモロに影響します。特に出口側の影響は大きく、「もっとも早く音質を換えたいならスピーカーを換えろ」と言われるほどです。

しかし、前にも書いた通り、オーディオ装置は単独では音を出しませんので、それぞれを繋ぐ接続ケーブルは必要不可欠の存在になります。オジサン的には「ケーブルは必要悪」と感じていますので、ケーブルは無ければ無い方が音質的には有利になるのですが、現時点その様な装置は有りませんので仕方なく使うわけです。

余談ですが、例えば1970年代に若者の必需品として流行した「ラジカセ」、今で言うと「CDラジカセ」になるでしょうか。「ラジカセには接続ケーブルなんて無いじゃ」と仰る方も居ると思いますが、実はラジカセの中にも接続ケーブルは存在します。ラジカセも普通のオーディオ同様、プレイヤー、アンプ、スピーカーが内蔵されていてそれらはケーブル、又は基盤で結ばれています。ラジカセの場合、それらが一つの躯体の中に入っていて、ケーブルが見えないだけなのです。

「必要悪」とも思えるケーブルですが、普通のオーディオ装置でも、プレイヤーとアンプ間、アンプとスピーカー間に必要です。例えばCDをプリメインアンプ(普通のアンプ)を使ってスピーカーから音を出す場合がこの様な形になり、最低でも2セット(4本)のケーブルが必要になります。これがもっと複雑な装置になればそれなりにケーブルの数は増える一方です。例えばオジサン家の装置の場合、以下の様になります。

プレイヤー→昇圧トランス

昇圧トランス→フォノイコライザー

フォノイコライザー→プリアンプ

プリアンプ→パワーアンプ

パワーアンプ→スピーカー

となり、少なくとも5セット(10本)のケーブルが必要になります。これでも細かい部分(カートリッジのリード線・電源コードなど)は省いていますので、本当はもう少し必要になります。

さて「必要悪」とも思えるケーブルですが、最近は非常に高価なモノも出てきている様で、中には1m数万円なんてモノも登場しているようです(ビックリ!)。

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(写真と本文は関係有りません)

なぜ人はケーブル沼にハマるのか?

先ほども書いた通り、オーディオの音質を最も変化させる(良くも悪くも)のは音の出口で有るスピーカーですから、手っ取り早く音質を換えたいなら(結果の如何を問わず)スピーカーを換えるのが良いと思います。しかし、スピーカーは結構高額なモノが多く、例え中古品であっても結構な出費になりますので、そう易々と換える訳にはいきません。入り口であるプレイヤーも同じです。

そこで比較的安価なアクセサリー系に手を出し、音質の変化を狙う訳ですが、アクセサリーと言ってもインシュレーター等も結構高価ですので、最も手を出し易いケーブルに手を出す方が多いのだと思います。ケーブルは、価格的に言うとピンキリで、安いモノなら100円/mから、高いモノでは数十万円/mまで幅広く市場に出回っています。

自分の懐具合と相談しながら、またネット辺りで評価を見ながら購入するわけですが、Aを試せばBが気になり、Bを試せばCが気になる訳で、こうして人は沼にハマっていくのです。

オジサンの場合は数百円/m程度のケーブルしか試してこなかったし、ほぼ全て自作ですから、それほどの出費は必要なかったのですが、それでも数万円、数十万円は使っていると思います。

ケーブル情報の氾濫

1975年、江川三郎氏が「ケーブルで音が変わる」と提唱して以降、様々なオーディオ誌は勿論、巷でも様々な情報が飛び交う様になりました。今では「オーディオケーブル」で検索すれば多くのネット情報がヒットします。ちなみにオジサンがG検索したら7千万件以上がヒットしました(すげ~!)。

中には販売店のHPも有りますし、怪しげなHPも有りますが、多くは「肯定派」「否定派」に分かれる様です。これらの情報を真剣に読み、まともに受けとめてしまうと完全に沼の住人になること間違いなしです。

接続ケーブだけを換えても・・・

前にも書きましたが、外に見えているケーブルだけを換えたとしても、部品(装置)の内部配線はどうでしょう?ケーブル沼の住人の多くはここに目が行っていないんじゃないかとオジサンは思います。

例えばプレイヤーとアンプを繋ぐケーブルをブットイ物と交換したとして、果たしてカートリッジの線は?アンプの内部配線は?と疑問が湧いてきます。現在多くのオーディオ機器は、プリント基板が使われいます(真空管アンプはまだそうでもない)。あのプリント基板の配線の細さを、ご自分の目で確かめて見た事が有る人が何人いるでしょう?

オーディオの信号の流れは、水道管の中を通る水の流れに例えられる事が多くあります。「細い管の中に大量の水を流せば、水は流れ難くなる」と言う理論です。また、「汚れた水道管の中も水が流れ難い」と仰る方も居ます。これは銅線などの純度を説明する時に言われる事が多いのですが、最近では6N(99.9999%)、7N(99.99999%)なんて高純度の銅線も出て来ていて、非常に高額で取引さえているようです。

確かに、この二つの例はオジサンも納得できるところです。細いホースに大量の水を流そうとしても流れ難い事は分かりますし、汚れた配管(中が詰まってしまった様な)も同様と思います。

だからと言って、中間の配管である接続ケーブルを換えただけでその問題は解決できるのでしょうか?CDプレイヤーの中の基盤は6N,7Nの銅線が使われていますか?スピーカーのボイスコイルはブットイですか?アンプの内部配線は銀線ですか?

勿論、粗悪な品質のケーブルは音質を悪化させますが、だからと言って超オーバースペックのケーブルを接続ケーブルにする必要も無いとオジサンは考えています。装置間を繋ぐケーブルはアンプ→スピーカー間以外はシールド線を使った方が良いと思う(オジサンの所では一部ノンシールドを使っている)し、スピーカーケーブルはある程度の太さが必要だと思いますが、必要以上のモノは不要だと思います。

どの辺りまでが自分にとって、あるいは自分の装置にとって必要かはリスナー本人が決める事で、それをトヤカク言う事はオジサンにはできませんが、今の異常に高値のケーブルが必要か否か、今一度冷静に考えて頂きたいと思います。これは、リスナーは勿論ですが、メーカーにも再考をお願いしたいとオジサンは思っています。