菅野沖彦氏の訃報

今年の秋は暖秋と言う事で、なかなか気温が下がって来ません。昨日あたりは半袖で歩いている人まで見掛けましたが、皆さんはいかがでしょうか?

こんにちは、オジサンです。

10月13日にオーディオ評論家、レコード演奏家の菅野沖彦氏が亡くなられたという記事を、昨日読みました。オーディオと関係の無い方は菅野沖彦氏と言っても「だれ、それ?」と言う事になると思いますが、ピュア・オーディオ(以下オーディオ)全盛だった1970年代、オーディオをいじっている人でその名を知らない人はいない程の方でした。

オーディオ全盛の頃は多くの「オーディオ評論家」と言われる方がいらっしゃって、瀬川冬樹氏、江川三郎氏等々、個性的なキャラの方々がオーディオ雑誌等で言いたい放題していましたねぇ。

特に個性的なキャラをしていたのが「コードで音が変わる論」を展開していた江川三郎氏と「自作スピーカー論」を展開していた長岡鉄男氏だったと思います。瀬川冬樹氏と菅野沖彦氏は、どちらかと言えば「まとも」な評論を展開していたと思いますが、両氏とも「高級品志向」と言わざるを得ないと思います。

特に菅野氏は、オーディオだけでなく、車、時計等も高級品志向で有名な方で、一方の瀬川氏のカメラも有名でした。「オーディオに凝る人間は機械物が好き」と言うのが余の通説で、確かにオジサンの周りのオーディオファンの方も、車や時計、カメラが好きな方が多いです。

菅野沖彦氏

f:id:tenikichi21:20181108131008j:plain

(菅野沖彦氏・・・オジサンでは有りません)

菅野沖彦氏と言えば、ファッションもオシャレな印象が有ります。非常に紳士的で話し方も落ち着いている感じでした。

実はオジサン、菅野沖彦氏の取材を受けた事が有ります。ステレオサウンド(以下SS)と言うオーディオ専門誌に「オーディオファイル訪問」と言う企画が有り、各地のオーディオ店の紹介でオーディオファンの自宅を菅野氏が訪問すると言う企画でした。

オジサンが登場したのは、松本市(長野県)に住んでいた頃ですから、もう30年位前の事でした。日頃通ってクダを巻いていたオーディオ店の紹介で取材を受けたのですが、当日我が家を訪れた菅野氏は、ちょうど写真の様な出で立ちで、非常に紳士然とした風貌でした。

どれくらい我が家に滞在したか忘れましたが、何枚かのレコードを聴いていただき、音や音楽の話をした事を覚えています。その様子はSS誌に掲載されましたが、「小さい音で聴いているんですねぇ。おそらくこの企画の中で一番小さいんじゃないかなぁ」と仰った菅野氏の声は、今も耳の奥に残っています。

残念ながら・・・

残念ながら、菅野氏ご推薦の装置は金額的にオジサンにはとても手が出せないモノばかりで、菅野氏推薦の装置は手にした事が有りません。

しかし、菅野氏のオーディオ論は沢山参考にさせて頂きました。

長年オーディオの普及に努めてこられた菅野沖彦氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。遅ればせながら、今日の夜、菅野氏のためにフォーレのレクイエムを鳴らしてみたいと思います。