七夕豪雨・・・

先週末の雨も嘘のように上がり、今朝は夏空が広がっています。富士山の雪もほぼ無くなり、真っ黒な夏の富士山の様相を呈しています。

広島や西日本各地の豪雨も一旦峠を越えた様で、TV映像では日が差しているいる様子も伺えましたが、これからが大変なのが水災害です。被害に遭われた方の一日も早い復旧を心よりお祈りいたします。

こんにちは、オジサンです。

前回の更新で、少しだけ「七夕豪雨」の話を書きましたので、今日はその七夕豪雨の話を書いてみようと思います。

1974年7月7日

1974年と言えば、昭和49年ですから、オジサンはまだ高校生でした。台風8号と梅雨前線の影響でオジサンが住んでいた町は前日から記録的な雨に見舞われ、当時の記録によると死者1名、全壊5戸、半壊8戸、床上浸水1612戸、床下浸水7161戸等の大きな被害を受けたとの事です。

1974年7月と言えば、前年から始まったオイルショックがまだまだ尾を引いていた時期で、世界的な原油不足に一般市民は右往左往し、トイレットペーパーの買い付け騒ぎ等が全国各地で発生しました。その映像はTVでも紹介され、目を吊り上げた主婦がスーパー等の棚を漁る姿は今でもよく覚えています。

オイルショックの詳細はネット検索をすれば沢山出てきますので、そちらを参考にして頂きたいのですが、この時期は「第一次オイルショック」です。

オジサンン家の前に鯉が泳ぐ・・・

当時、親父の兄貴(伯父さん)が消防団員をやっていました。そのオジサンが夜中に家にやってきて「大事な荷物は二階に上げるか、お寺に避難した方が良い」と言いました。まだこの当時、オジサンに発言権は有りませんでしたので、伯父さんのいう事を横で聞いていただけですが「大変な事が起こっている」事だけは理解できました。

まだオジサンがご幼少のみぎり(何もんだ!お前!)、オジサンの住む地方は強烈な台風に見舞われ、親戚の家は1階部分が浸水し、親父は家財を2階に上げるため手伝いに行ったという話を小さい頃聞いた事が有りましたが、どうやらそれに匹敵するような災害が迫っている様な雰囲気でした。

伯父さんの忠告を受け入れた親父とお袋は、大切な荷物(通帳や着替えなど)を持って2階に運びました。いつもはオジサンだけが寝ている2階の部屋に、その日は家族全員で寝ました(とは言っても、親父は寝ていなかったと思いますが・・)。

オジサン家の2階は6畳と8畳の二間ですが、オジサンは自分の部屋だった6畳に、親父とお袋、それとまだ小学生だった弟が8畳に布団を敷きましたが、広いと思っていた8畳間が狭く感じたものです。

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(写真と本文は全く関係ありません)

翌日朝、起きてびっくりです。家の前が川になっています。近くの河川(小さい)があふれ、家の前も濁流が流れていました。

幸いオジサンの実家は多少高くなっていたので、家の中まで水が入り込む様な事は有りませんでしたが、家の前を鯉が泳いでいました。大きな錦鯉で、近くの寺(伯父さんが避難しろと言っていた寺)の池から逃げ出したモノでしたが、その後を寺の住職が「つかまえてくれ~」と叫びながら追いかけていた光景を思い出します。

西側一帯が海の様に・・・

氾濫した川はオジサンの実家の西側に位置する川ですが、その川の更に西側は土地が低くなっています。オジサンはすぐ近くの県道まで歩いて出て、西側を見てビックリです。まるで湖か海の様になっていました。

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この写真はオジサンが住んでいた町のモノでは有りませんが、西側はちょうどこんな感じです。(これは隣町の七夕豪雨時の写真です)

あのような光景を見たのは後にも先にもこれ一回きりで、その後町が水没した記憶が有りません。

水の恐ろしさ・・・

日頃から水害の恐ろしさは親父が口を酸っぱくして言っていた事です。親父は昭和33年の大型台風での水害を経験しているので、身を持って水の恐ろしさを知っていました。「水は音も無く、アッと言う間に押し寄せてくる」と言うのが親父の言い分でした。確かに、七夕豪雨の時も、雨はひどく降っていましたが、まさか家の前があんな状態になっているとは・・・想像もしていませんでした。

水害・・その後

水害は「その時」も大変ですが、その後が非常に大変です。当時オジサンの住んでいた町は下水道整備がまだ行われておらず、ご想像にお任せしますが、水が引いた後はそれはそれは大変な事になります。

広島をはじめとする今回の災害、これからが本当に大変だと思います。水を含んだ泥は非常に重く、人海戦術で取り除こうにもクタバルのが落ちです。暑さも大敵です。大体水害が発生するのは夏場ですから・・・しかも大雨の後は強烈な日差しが照り付けるものです。

行政がどこまで手を貸してくれるか・・ですが、これも余り期待できないでしょう。高い税金払ってるんですけどねぇ・・・。

とにかく、水害のその後は惨憺たる現実が残るだけです。

水は恐ろしい・・・水をなめてはいけない!

 

今回被災された方々・・・申し訳ありませんがオジサンは何もしてあげる事が出来ません。ご家族を亡くされた方々には心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々の一日も早い復旧をお祈りいたします。